茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(203)「二十年前と同じお値段、二本で千円」

加藤匡通
三月×日(木)
   面接で出張はちょっとと言ったが、なぜか横須賀に来ている。つくば市内のアルバイト、O社の仕事である。泊まりは出来ないと言ったら通いになった。毎朝四時半起き、五時四十四分の電車に乗って駅に着くのは八時だ。これ、開始が八時半だから通えるのであって、八時開始なら無理。つくばエクスプレスは四十五分、京急線はほとんど一時間、これだけ電車に乗ってりゃさぞ読書も進むだろうと思いきや、眠気に負けて寝ちゃうのだった。一眠りしても まだ半分だったりする。大学の前半二年間も丸一時間乗りっ放しだったけど本読むより寝てた。二十年経ってもやってることに変わりがない。二十年前と同じお値段、二本で千円って感じ?
  今のところ、体力を使う作業はほぼない。今日の作業も一日椅子に座って無線の指示通りに機械を操作するだけ。操作と言ってもごく簡単なものでパソコンでメール送る方が複雑、僕でもトラブルがなければ操作出来る。ただしこの操作はえらく細かくて、ちょっとの操作で言われた数値を簡単に越えてしまう。
  出張は手当がつくし交通費は全額前払いで出る。その点は悪くない。行き帰りは本が読めるどころかどちらめ座って来れるのでレジュメを切ることすら可能だ(この日記ならともかく、レジュメやビラ片面位の分量の文章となると原稿用紙に下書きしないと書けないのだ。)。でもなあ。最近また新聞を読む時間もなくなって来ていて、「プロメテウスの罠」も読んでないし、筒井康隆新聞小説も読んでない。後者は金持ちが金持ち故に成功する物語なので読んでて面白くないけどな(『ビアンカ・オーバースタディ』といい晩節を汚してないか、最近の筒井。)それどころかベネズエラチャペスが死んだのに気がつかなかった。これ、アメリカ合州国の世界戦略(帝国主義的振る舞いとも言う)に関わる、と言うか中南米の今後に関する大ニュースなんだけど、扱い小さいよなあ(チャペスを単純に称えるつもりはない。だいたいカリスマになる革命家を信用しちゃいかんだろ。以前、ベネズエラに行ったという欧米人のアナーキストに「どうだった?」と尋ねたら「コミュニズム」と言って思い切り顔をしかめた。さもありなんって感じだ。)。それに電車の中で組合大会の準備するの無理あるだろ。
  せっかく横須賀に来たのだからピンク映画館に行くかと調べたら、横須賀金星劇場はとうに閉館していたらしい。名前からして素晴らしいのに残念である。いかに上映時間が短いとは言え仕事終わってからピンク映画三本立てを見て横須賀からみらい平まで帰れるのかとは聞かないこと。近隣駅には古本屋もあるようだけど立ち寄る余裕はなさそうだ。まあ、そんな金もないか。首は締まりつつある。