茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(217)蛆も空を飛ぶ

加藤匡通
七月××日(火)
  仕事中は、と言うか仕事中も、と言うべきか、半袖なので両腕は真っ黒になりつつある。外溝屋Y社の前半は半袖OKだったから二年振りかな。とは言ってもY社の時のように丸一日表ではない、車に乗ったり降りたりの繰り返しなのであの頃ほどに腕が黒くはない。半袖で困るというか嫌なのは、たまに蛆虫が腕についていることだ。ゴミ袋を積み込んで、なんか痒いなとふと腕を見ると小さな蛆が腕を這っている。こう見えて外骨格のない虫の類は苦手なので、小さな叫びを上げながら慌てて振り払っている。パッカー車がいっぱいになってくるとゴミ袋は積み込み口付近で圧縮され破裂するが、その時中の物が飛び散る。そうすると汁がかかって体が臭くなったりして凹んだりするが、僕にはこっちの方がきついなあ。飛ぶのは成虫になってからでいいから。みんなこの季節のゴミ出しには気をつけるように!頼むよ。
   ヘルメットも当然なしだが、そうするとタオル一枚では日射病になってしまう。なら髪伸ばせよ、スキンヘッドやめろよと言われそうだな。とりあえず野球帽みたいなものを被ってしのいでいるが、瓶回収の日なぞほぼ一日荷台に乗りっ放しで、この日は野球帽じゃ無理。直射日光は強い荷台の鉄板はあぶられて熱を持つ、いや初めて乗った日はどうなるかと思った。もちろん荷台で頭が痛くなっている。で、麦わら帽を買った。やっぱこっちの方が陽を遮るよ。
  蛆と言い麦わら帽と言い、思わぬところで夏を満喫しているな。