茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(266)訂正・下北沢にはトリウッドがある!

加藤匡通
七月××日(日)
  先日の日記「三軒茶屋シネマ閉館」の訂正二つ。
一つ目。世田谷区内には下高井戸の下高井戸シネマともう一館、下北沢に短編専門のトリウッドがあります!失礼しました。ここで『ほしのこえ』を見たのに忘れておりました。シネマアートン下北沢亡きあとも下北沢に映画館はあります!
二つ目。本文中の三軒茶屋映画劇場と記してある部分は全て三軒茶屋中央劇場の間違いです。三軒茶屋映画劇場は九十二年に閉館した国道二四六号線沿いにあった映画館です。こちらは最終回の上映に行き、『私がウォシャウスキー』終了時に拍手が起きる稀有な経験をしました。それなのに劇場名を間違えてはいけません。三軒茶屋中央にはにっかつロマンポルノや洋画邦画でお世話になりました。最後に見たのは『助太刀屋助六』と二度目の『修羅雪姫』(釈由美子版)の二本立だったでしょうか。
以上訂正終わり。ふうー。
で、さらに追い討ち。この前新橋で高架下にある映画館、新橋文化の前を通ったら、それまで見事に三番館と言うかエンタメ路線の洋画旧作上映を貫いていたのに名作路線に転換していてぎょっとした。その時は外に何の表示もなかったのでまさかと思っただけだったが、ここも隣のピンク館新橋ロマン共々八月一杯だと知った。いやもう何と言えばいいのか。二度目の『パープル・ストーム』を見たのは何年前だったか。JR高架下の実にうるさい映画館だが、閉館までに新橋ロマンだけでも行きたいなあ。こっちは入ったことないし。
  二番館ないし名画座(どちらも本来の意味では最早存在していない。今あるのは両者の中間形態。)は新橋文化を含めて都内に七館、ピンク館は六館のようだが、この中の何館が五年後に残っているのかと思うと。
茨城県内にシネコンでない映画館は水戸のピンク館の水戸銀星劇場、土浦の土浦セントラルシネマ、笠間の笠間ポレポレホールだけ、いずれも入ったことがない。ああ、早く行かないと。
このまま終わると映画館日記になってしまうので賃労働のことも書いとこうか。
   今週は静脈認証現場に戻っていた。いろんなことをしていたが、金土の二日間、朝一でトイレの床養生撤去と言うのをした。詰所のある階に作業員用のトイレがある。本設の、つまり仕上がった完成品のトイレを使うのだが、そのまま使うと後で大変面倒なことになる、と言うか使う前の状態にクリーニングで戻せっこないので便器そのものはともかくとして他の手の届く範囲は全て養生をして本設部分が汚れないようにする。その養生のうちの床面だけをはがすのだ。下は石なのだが濃淡の模様が合わないとかでバーナーで炙ったりして調整するらしい。そんなのもっと後でやればいいんじゃないかと思うんだが、組の考えていることはわからない。調整のテストケースにするつもりなのかもしれない。汚れてもいいための養生なので養生そのものはかなり汚れている。養生は下地に253とフィルム(ビニールシートのことだ。間違っても映画に使うフィルムじゃない。)が貼ってあってその上に青ベニと呼ぶ青い合成樹脂製の板がテープ止めされている。引っ越し業者が使ってる青いやつと言えばわかるだろうか。ちなみに青ベニもプラ段もコンパネも同じサイズ、千八百×九百である。で、青ベニを撤去するにはテープをはがさなければならず、そんな作業、軍手じゃ出来ないので素手でこのあまり触りたくないテープを剥がすことになる。なんか色着いてるし。
  相方と二人の作業で、相方は同じ派遣会社である。前にも書いたようにR社は全部で四十名近く入っているが、R社本体は数名で他は僕のような日雇派遣だ。組む相手は日によって違う。朝礼では熱中症対策としてお互いの顔色を見ながら作業して、顔色が悪ければ声をかけて休ませることと言っているが、まず相方と「お互いの顔色を窺うのは止めよう」と申し合わせた。こんな作業で顔色を窺ってたらお互い嫌気が差してムッとしてるに決まってる。只でさえ少ないやる気がなくなってしまう。養生を引っ剥がしながら「これ、罰ゲームだよな?」「だな」「身に覚えあるか?」「ある」。いやー、俺はないんだけどなあ。俺そんなにこの現場でサボったりしたかなあ?