茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(278)デッキブラシがきついです。

加藤匡通
九月××日(木)
  とうに終わっているはずのエレベーター養生だのプランターの移動だのをしたマンション改修現場に呼ばれた。確か六月に引き渡しだったはずだ。会社からは廊下の清掃で一人と聞き更に首を傾げる。どんな掃除か知らないけど、まともにやったらあそこの掃除、一日じゃ終わらないぞ。
  この現場、最初は朝礼が八時十五分からだったが、塗装屋の親方に八時から仕事を始めないと気の済まない大変迷惑な人がいて、強引に八時朝礼に変えてしまった。目の前で見ていて唖然としたよ。普通ならこんなことは通らない。マンションの管理組合や近隣との作業時間の取り決めがあって予定時間外に作業しているとクレームが来て、朝だったりしたら数時間現場が止まりかねない。請けの仕事だと工事丸ごとでいくらとなるので時間通りに初めてなるべく少ない日数、人区で終わらせたいのはわかるが工事が止まったら元も子もないだろうに。ついでに言えば請けの仕事だと残業代は支払われないことが圧倒的に多い。そして建築業界は請け仕事が基本なので業界全般に残業代を支払うと言う発想が薄いが、残業代を支払わないのは違法なので経営者諸君は注意するように。争いになったらこの点について諸君に勝ち目ないから。えっと何の話だっけ?そうそう、今回現場の開始時間は九時で大変ラク、乗換駅にあるマクドナルドで直前までゆっくり出来た。
  現場には監督が一人に僕一人。二人で引き渡しの後になって出て来た廊下の汚れを落として回ると言われた。廊下は床に養生材をテープ止めしていた。養生撤去時に当然クリーニングをしているはずだがテープののりが落としきれず、時間が経って浮き上がり埃が付いて汚れが目立ってしまったようだ。場所によってはテープの跡がはっきりと残っている。監督はサンポールやシンナー、ウエスを用意している。管理人からデッキブラシを借りて試してみるが、あまり落ちない。いくつかやり方を試すと一番きれいに落ちるのはウエスにシンナーを染み込ませての拭き取りだったが、手間がかかる上に周りに比べてそこだけがきれいになり過ぎる。これは下手すれば廊下全体をシンナーで拭くことになりかねないので却下。取り敢えずサンポールを薄く撒いてデッキブラシで汚れをこすり続ける。夏中ラクな現場ばかり入っていた身には辛い作業だ。一日やったら翌日体中が痛い、いやそれ以前に今日一日保たないかも。十時の休憩時に監督が近くのドン・キホーテで買って来た洗剤と手持ちブラシでこする方法が手頃な落ち方と言うことでどうにか落ち着き、安堵した。跡が完全に落ちる訳ではないが、落とす努力をしたことがわかるからいいのだそうだ。まあ、この跡を全部消そうとしたら何人区かかるんだかわからないからな。こんなの真面目にやってたらまるで終わらないさ。