茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(326)詰所でレジュメを切る

加藤匡通
十月××日(水)
  設備の現場、マンション新築に来ている。このところ近くの現場が続いていたので四時半起きが辛い。今日で三日目だがまだ辛い。昨日も一昨日も会議で寝たのは十二時過ぎだったからだ。専従者の会議なら昼間に出来るだろうが基本的には他に仕事をしながら運動をしている者が大半なので会議は夜になる。都内に通わなければラクになるんだけどな。今夜も似たような用で遅くなる。明日の夜こそは早く寝たい、とは毎晩思っている。
  設備とは衛生設備の略で上下水道関係の仕事である、とは以前にも書いた。大きな現場では電気と並んで工事全般を見る建築とは独立していることが多い。なので工事の進捗を巡っては建築と対立することもあったりする。建築より単価が高いので、僕のいる派遣会社は設備に人を送ることに熱心だ。単価がいいのならこちらにも反映させろよと思うが、僕の単価が上がることはない。
  作業内容は屋上部分の躯体の鉄筋にスリーブと呼ばれる管を入れ込むものだった。屋上部分の型枠の上にコンクリートのパネルを敷いて、パネルとパネルの間を梁とする。へぇ、こんなやり方あるんだ。梁の鉄筋を組んでいて、スリーブは梁に入る訳だ。位置を出し、管を固定するための鉄筋の枠を組まれた鉄筋の中に取り付け、管を取り付ける。作業自体はそんなに大変なものではない。もちろん僕は初めてなので早くは出来ないがそんなに大変な作業でないことくらいはわかる。だが、そんなに大変ではなくとも鉄筋が組み上がってからでないと取り付けは出来ず、作業はなかなか進まない。月曜に来たら、鉄筋は半分も組み上がっていなかった。月曜は二時には出来ることがなくなり詰所で五時まで待機、昨日は昼から待機だ。僕たちの班は四人、全員同じ派遣会社だが内二人は設備専属の職人で僕ともう一人は設備については素人である。先週までは僕を除いた三人だったそうだ。この作業量なら三人、いや二人で充分だろう。しかもこれは事前に予想された事態なのだと職人は言っている。設備の元請が四人でOKと言ったので手が浮くのも構わず四人入れたらしい。待機してていいんだからとやかく言う筋合いではないが呆れた。バブル期じゃあるまいし。設備金あんだなあ、こんな無駄な人区かけられるなんて。
  昨日一昨日と待機時間に本を読もうとしたが連日の寝不足でちっともはかどらない。今日に至っては十時前から待機だと言う。詰所には誰もいない。用意すべきレジュメがあることを思い出し、作業することにした。休み時間に喫茶店でビラを書いたりしたことはあるが、現場の中で作業時間中にレジュメを切るのは初めてだよ。えーと、このレジュメが終わったら八月の報告を書かないと。
  昼休みが終わったらやっと作業が出て来た。しかしこの三日で元から少ない勤労意欲は見事に低下、はっか回して結束線で鉄筋縛る手がだるいだるい。