茨城不安定労働組合

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公開質問状へのつくば市からの回答と回答への注釈

公開質問状へのつくば市からの回答と回答への注釈

10月2日付のつくば市への公開質問状に対し10月12日につくば市より回答がありました。
まず、回答は以下の通りです。


29つくば社第1595号
平成29年10月12日
茨城不安定労働組合
執行委員長 加藤匡通 様

つくば市長 五十嵐 立青
          公開質問状について(回答)
 日頃より、当市の市政運営に対し、御理解、御協力を賜り、ありがとうございます。
 さて、2017年10月2日付の公開質問状について下記のとおり回答します。

                  記

1.保護申請時に、安定した住居のない要保護者が住宅の確保に際し、保護の決定までに住宅の確保が出来なかった場合、申請は却下となると担当職員が発言されました。却下となる根拠について回答して下さい。
A 厚生労働省社会・援護局保護課長通知では、保護の開始決定は、申請者の住居が確保されたとき(アパート等に入居したとき、又は入居できることが確実になったとき)以降となっております。
  また、生活保護法(以下:法という。)第24条第7項において保護の申請をしてから30日以内に第3項の通知がないときは、申請者は、ほごの実施機関が申請を却下したものとみなすことができる。と規定されております。

2.上記1の件、担当職員は後日、保護の決定までに住宅の確保が出来なかった場合、最長2週間程度待つことができると発言されました。その根拠について回答して下さい。
A 法第24条第5項において、第3項の通知は、申請のあった日から14日以内にしなければならないと。ただし、扶養義務者の資産及び収入状況の調査に日時を要する場合その他特別な理由がある場合には、これを30日まで伸ばすことができる。と規定されております。

3.保護開始までの生活費をどのように手当てするのかという問題について、今回の事案のように多少の所持金があったとしても長期にわたる調査期間中に生活費が底をついてしまうこともありえるので、本来は、法25条1項にもとづきすみやかに保護開始決定をして保護費を支給すべきと考えますが、今回適用されなかった根拠及びどのような事案に適用されているのか具体的に回答して下さい。
A 法第25条第1項の運用は関係機関と協議しながら、適正に執行しております。
 
4.他法他施策について質問したところ、担当職員は臨時特例つなぎ資金制度について「そ
んなのがあるんですか」と発言されました。また保護申請からおよそ1週間後に生活困窮援助物資支給申請についての説明を受けました。上記のような職員の対応を踏まえ、今後より適切な生活保護行政を実施していくために、他法他施策の周知の徹底と、相談者及び申請者へ十分な説明をしていただきたいと考えております。実施の有無について回答して
下さい。
A 他法他施策については、要保護者に沿った制度をご案内しております。

5.保護申請時に単身者の住宅扶助基準額である34000円以内のアパートを確保して下さいと説明を受けました。しかしAさんは数件の不動産業者を当たるも保護申請に至った経緯や保護申請中である(保護開始決定が出ていない)などの理由からアパートを確保できずにいました。その後、即日契約可能な不動産業者を見つけるも家賃36000円のアパートであったため担当職員へ相談したところ、居住は認められるが基準額を超えているものに対して敷金等を支給することは出来ないと説明されました。当方から、基準額34000円分の支給は受けられないか質問したところ、できないと発言されました。その根拠について回答して下さい。
A 敷金の支給については、厚生労働省社会・援護局通知(以下:通知)に基づいて認定しております。

6.上記5の件、住宅費の特別基準について質問したところ、今回の事案について適用は難しいと発言されました。根拠について具体的に回答して下さい。
A 通知では保護の基準別表第3の2の規定に基づき厚生労働大臣が別に定める額(限度額)のうち、世帯人員別の住宅扶助(家賃・間代等)の限度額によりがたい家賃、間代等であって、世帯員の状況、当該地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものについては、特別基準の設定があったものとして認定して差し支えないとなっております。

                       本件の問い合わせ
                       つくば市保健福祉部社会福祉課 ■■
                       つくば市研究学園1丁目1番地1
                       ☎029-883-1111(内2101)






つくば市からの回答だけでは何が問題なのかわかりにくいと思われるので、以下につくば市からの回答に対する簡単な注釈をつけます。

つくば市からの回答についての注釈


1.の回答について
質問にある「却下となる根拠」についての回答にはなっていません。
前半部分は保護の開始時期について述べられていますが、通知の具体的な名称等は記載されていないので、私たちでは調べることが困難です。
後半部分は申請者の権利について書かれているもので、却下となる根拠については触れられていません。

2.の回答について
最長30日以内に住居が確保されれば1.の回答にある通り保護開始決定が可能であるということは理解できます。
しかしこの回答から1.の質問にある「却下となる根拠」についてはうかがい知ることができません。

3.の回答について
質問にある「今回適用されなかった根拠」及び「どのような事案に適用されているのか」についていずれも回答はありません。私たちはつくば市が「適正に執行」していると記している事柄が本当に適正なものなのかを判断するために、具体的な内容を知りたいのです。

4.の回答について
回答では「要保護者に沿った制度をご案内しております。」とありますが、案内ができていないと私たちは指摘しています。
2009年度から存在している臨時特例つなぎ資金という制度を、10年間業務に従事してきた課長補佐が知らなかったという事実に対してどのように考え、今後どのように対応していくのかを聞いているのですが、こちらの質問の趣旨を理解していないようです。それとも理解したうえではぐらかして回答しているのでしょうか。問題と真摯に向き合い、誠実に回答してもらいたいものです。

5.の回答について
1.と同様に通知等に関しては具体的に示して下さい。

回答全般が、こちらの質問に対する答えになっているとは思えません。的外れな、あるいは意図的な掛け違えをした回答ばかりで、私たちの出した質問状に対する回答としてはきわめて不十分なものです。
今後どのように対応していくか考えたいと思います。

茨城不安定労働組合  執行委員長 加藤匡通