茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(409)コンクリ打設中止

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(409)コンクリ打設中止
加藤匡通
七月××日(月)
公共施設の空調現場に入り続けている。
今日はコンクリ打設で一人増員、計三名である。増員の一人はコン打ち相番、バイブのスイッチ係だ。もっとも、職長に言わせればあくまで相番であってコンクリ打設時にスリーブが、配管を通すための管が倒れたり潰れたりした時手当て出来るように配置されるのだから、スリーブのある箇所が終わってしまえば打設から離れてよい、となる。たいていの現場でコン打ち相番として呼ばれる場合、そんなことは考えずひたすらスイッチ係としてのみ動くので、この現場で職長からそんなことを言われた時は面食らった。今日の増員は派遣会社の設備部門から来ているのでむしろスリーブに気を遣う方のはずだ。
コンクリ打設は別班として朝礼すら別になることもあるので、朝顔を合わせたきり相番の人とは会わないことも多い。本体からすればその場しのぎの手伝い要員である。もちろん僕はそれで全く構わない。今日もそのパターンだった。ただ、打設する場所は僕たちが作業している隣の区画なのでコン打ちの進捗はよくわかる。暑い日が続き、現場でも何人か倒れているので打設箇所にはテントが張られ、一時避難が出来るようになっている。大手ゼネコンなら一人倒れれぱ大騒ぎだが、この現場は半袖や地下足袋でもOKなので熱中症の一人や二人問題にならない。もちろんそれはそれで問題だが、現場がゆるいのは悪いことではない。テントには水が用意され、おいおい煙草喫ってるぞ。
隣で作業とは言っても始終見ている訳ではない。昼休みも半ばになって相番が戻って来て、三十分でコン打ちに戻っていった。その少し後に僕たちもスラブに上がりインサートの取り付けを始めた。しばらくして見ると、あれ、まだ動いてない。ポンプのホースを盛り変えているのだと思っていたが、ポンプ屋と土工がばらしたポンプの配管を何やら盛んに叩いている。詰まったらしい。コンクリートミキサー車からポンプ車に吐き出され、ポンプの十五センチ程の太さの頑丈なホースを延々と通して打設される。そのホースの中で生コンが固まっちまったのだ。昼休みを三十分取ったのが不味かったらしい。夏場のコン打ちはこれがあるから怖いのだが、とはいえそんなに始終詰まる訳でもない。僕は建設現場で働くようになってそろそろ二十年だが、打設中にホースが詰まったのはこれで二度目だ。
かくして本日のコンクリート打設は中止となった。ところが、正式に中止と伝えられたのは四時過ぎ。代わりのポンプ車を手配しようとしていて、無理だと諦めたのがその時間らしい。その間、相番は打設場所のテントの下でずっと待機。三時になっても、五時から打つからと言われていたらしい。元請のゆるさと言うか駄目さに絶句した。早く決めろよそんなこと!