茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(435)現場のアイパッド

賃金奴隷な日々  日雇派遣日記(常雇?)(435)現場のアイパッド
加藤匡通
四月××日(水)
    今通っている海沿いの現場では、監督は全員アイパッドを持っている。建築JVだけでなく、空調JVも衛生JVも電気JVもその他のJVもみんなだ。みんなあの薄い板みたいな奴を背中だか腰に巻くと言うか背負っている。
    僕は何人かで配管の床穴埋めだの機器の養生撤去、清掃だのをして廻っている。三月までいた公共施設新築現場での養生撤去は天井近くの配管や機器の養生だったので脚立での作業だったが、養生をしてからはがすまでの期間が短かく、埃はあまり乗っていなかった。ここの養生は床に設置された人より大きな機器で養生されていた期間も長く、何より部屋の構造が違い耐火被覆が剥き出しなので埃だらけ、はがすと埃が舞って大変である。長袖を着ていても腕や首回りはガラス繊維でちくちくするし、マスクも欠かせない。テープをはがしたりするので素手でやるから手も荒れる。
    作業中に不具合や不明な箇所を見つけると監督に連絡、監督はアイパッドを持って駆けつける。アイパッドで写真を撮り、アイパッドで図面を広げ、アイパッドで図面に問題を記入する。僕たちの担当の監督は僕よりやや若そうだ。「それ、やっぱり便利ですか?」「うん、図面も黒板もカメラもいらないからね。全部持ち歩くのに比べたら、すごく便利になったよ。むかしは現像しないといけなかったしね。」「ああ、ポラロイド使ったりしてましたもんね。」ポラロイドカメラは父が現場で使っていたと聞いている。その場で写真を見ることが出来るカメラだが、フィルムがないので焼き増しは出来ない。
    三月まで入っていた公共施設新築現場では監督が、いつもカメラと黒板を持って飛び回っていた。アイパッドは便利だが、配備し使いこなすには金がかかる。それが出来るにはある程度の規模が必要になる。小さな会社じゃ難しいってことか。