茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(460)ゴールデンウィーク強制突入

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(460)ゴールデンウィーク強制突入
加藤匡通
四月××日(月)

 今月頭から入っている現場はまだ基礎の段階で、足元は土と敷かれた砕石だ。捨てコンすらまだ打っていないところが残っている。建物で言えば地下の基礎しか、いやその基礎を作っているところだ。梁や躯体の一番下の部分の鉄筋が組まれ、そこに配管を通すための穴を入れる。穴は開けるのではない。鉄筋に穴となる部分を差し込むので入れると言う方が正しい。この穴がスリーブで、基礎のスリーブに、この現場では塩ビ管を使っている。

 これまでスリーブを入れる位置を墨出ししてスリーブを入れる、を繰り返してきたが、基礎部分はもう終わりだ。今日は四工区のコン打ち合番、久しぶりのバイブのスイッチ係。一年半以上スイッチ係なんてやってないよ。V社で来ているのは僕一人である。これまで何度かコン打ち合番はあったものの、僕はなぜか職長扱いなので他の人に合番を僕が振っていた。仕事の出来る順で言えば間違いなく僕が合番なのに!

 V社の作業の中で一番慣れた作業かもしれないが、バイブのスイッチ係はそもそもそんなに難しい作業ではないので慣れたも何もない。最悪「スイッチ!」と言われたらスイッチを入れればいいが、それは本当に初心者の場合で、ふつうはバイブのコードをさばいたりする。まあそれも相手の土工次第ではある。今回の土工はとても楽で、なにかするのにいちいちこちらに気を使ってくれる。二本のバイブで動いているのに後ろに気を付けて動くのでバイブが絡まない。みんながみんな怒鳴ってる訳じゃないけどバイブの筒先、つまり自分の動きしか考えてなくて、後ろの合番の動きがちょっと合わないと怒鳴りつける土工は多い。昼に入る時に「午後もよろしくお願いしますね。」と言われたのに至っては、あまりのことに感激してしまった。そんなこと有り得ないのだ。

 コン打ちは二時半には終わった。土工さんのおかげでとてもいい気分だ。設備の監督に確認する。「早上がりでいいよね?」やることはほとんどないはずだが、なんだかごちゃちゃ言ってるのを「十時取ってないし、昼の三十分合わせたら四時過ぎるよ?」と振り切って現場を出た。

 新型肺炎の影響でゼネコン現場はほぼ止まってる。V社は大きい現場が終わって街場の小さい現場ばかりになったので仕事は止まらなかった。けどどこもゴールデンウィークに入るようで、明日からしばらく明けだと聞いている。一応今日、この現場の監督に連休中の仕事を確認してくれと言われていたが、やっぱりないと言っている。うーん、もう少し働かないと、せっかく払えていた公共料金がまた払えなくなりそうなんだけどなあ。