茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(463)ふられ続ける

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(463)ふられ続ける
加藤匡通
六月××日(木)

 四月から通っている現場はしばらく明けになるらしい。今週は梁スリーブ取り付けで忙しく、人工もかけていたが、それもそろそろ一段落だ。

 今の作業は二階のコンクリ打設前の作業で、二階部分に大工が型枠を立て、その型枠の上に鉄筋屋が鉄筋を組んでいる。僕たち配管屋は床部分に配管用の墨出しをして、梁の上に組まれた鉄筋にスリーブを入れている。梁の鉄筋へのスリーブ入れは急がないといけない。梁の型枠に鉄筋が収まっているのが正しい状態なので、鉄筋屋は一通り組み上がったら鉄筋を落としてしまうのだ。こちらがあまりゆっくりしていると怒鳴りつけられる。それに、間違えて入れれば最悪鉄筋をまた釣り上げてもらわなければならない。梁の型枠に収まった鉄筋を動かしてスリーブを付け直すのは、かなり難しい。

 そんな訳で僕以外の職人たちは梁スリーブの取り付けをしている。僕は彼らの手元で足りない材料を配って回っている。

 明日は都心の現場と言われ、職長と直接連絡して待ち合わせを決めてくれと言われたので連絡した。ああ、C工事のあそこですか、八時半でいいですね。わかりましたー。夕方、その職長から電話が来た。明後日に延期と言われた。社長に確認して、明日は休みになった。

 この現場、次がいつあるのかわからない。社長はあまり割がよくないらしく、逃げたがっている。荷物は全部持ち帰ろう。少しずつ持ち帰っていたので物凄い量ではないのだ。・・・とは言え最近楽ばかりしているので、かなりリュックを重く感じる。

 せっかくなのでちょっと回り道をすることにした。今日の現場は松戸方面なので、馬橋で降りてみよう。最近『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を見ていて、原作も読み出しているのだが、京都アニメーションが出しているKAエスマ文庫はごくごく限られた店にしかないのだ。この変だと文教堂書店馬橋駅前店にあるというから言ってみよう。

 まず一つ手前の北松戸で降りて万葉書房に寄ってみた。電車から見える古本屋で前から気になっていたのだ。店の前に行くと営業中の看板はあるが探し物と買取以外お断り的な貼り紙がしてある。恐る恐る入っていこうとすると、店主に止められた。店内が狭いから三密回避で客を入れにようにしているらしい。探し物はあるが、これじゃ無理だな。

 電車に乗って一駅移動、馬橋の改札を出て、さて文教堂はどっちだと携帯で検索したら驚愕の検索結果が出た。二月で閉店してる!やられた。駅前店の名に恥じず本当に駅前だった跡地を確認して引き下がる。

 せっかく馬橋まで来たから帰りは流山鉄道に乗って、鰭ヶ崎南流山に乗り換えよう。しかし鰭ヶ崎を降りて遭難、雨が降り出す中一時間重い荷物を背負ってさ迷った。南流山と反対に行ってしまったのだ。人の流れについていったのがいけなかったな。

 さて、明日はどうしようか。やっぱ映画か。