茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(470)どう考えても明日はない

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(470)どう考えても明日はない
加藤匡通
七月××日(火)
    夏の建築現場の定番と言えば学校の改修で、日雇派遣時代は固定現場に入っていなければ夏場は学校によく廻された。それどころか夏場のほんの短い期間だが解体屋にいたことがあり、その時は毎日学校の改修に通ってガラを片付けていた。
 昨日今日と都内の学校に来ている。多分ここの最寄駅で降りたのは初めてのはずだ。V社から他社への応援で、V社からは僕ともう一人。二人ともV社の中では職人と言える立場ではない。ちなみに僕が一番下っ端である。

 かつてよくやっていたのは耐震補強だったが、今回は空調工事、体育館のエアコン取り付けだ。耐震補強も空調取り付けも学校が長期の休みによく行われる工事である。昨日が初日で道具の搬入から始まった。次にエアコンの搬入、取り付けと続く。学校は新型感染症の影響で夏休みが短縮されているようでまだ通常授業、体育館は使われており、授業の合間の作業になる。油断していると作業のキリがいいところになる前に子どもたちが体育館に入ってくる。廊下から子どもの声が聞こえると作業中断、一時片付けとなる。ちょっとせわしない。

 社長は月曜だけかもしれないと言っていた。業務用エアコンは大きく重いので搬入の人出が必要だが、それが終わればもういらないかもしれないと。実際、搬入とその後の天井への取り付けが済んでしまえば細かい作業で、これ俺たちいらないんじゃない?と二人で話していた。余っているわけではないが、別にいなくてもそんなに作業に差しさわりはない、あまりうれしくないポジションだ。それでも、どうにか二日目はあった。

 学校の体育館は大学までの在学中にはその裏側を覗くというか入ることなどほぼなかったが、最初の就職先だった映画会社が学校の体育館での映画上映をよくやっていたので放送室だの犬走だのに上がることがあり、さらに日雇派遣になり学校改修工事でまた体育館に上がる機会が増えた。不思議なものだ。

 で、今日。昨日ウィンチを使って引き揚げ、犬走の天井に取り付けたエアコンを止めている(支えているとも言える)アンカーについているナット・ワッシャにさらにゴムを噛ませる作業をして一日が終わった。「これはやっぱり社長が強引に僕たちをねじ込んだんですかねえ。」「俺たちいなくてもそんなに問題ないよなあ。」どう考えても明日はない、そう思っていたらやっぱり今日までだった。「加藤さんは休みだって」と社長に電話していた相方に言われる。もしかして今週は二日だけってことでしょうか?やっぱり一番仕事が出来ないからですかねえ?