茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(493)久し振りの面接

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(493)久し振りの面接
加藤匡通
三月××日(火)

 尻に火が付いたのでとりあえず働こうとパソコンを開くも目移りがしていけない。と言うか選べない、に近い。モニターでは中身が頭に入らないのは相変わらずだ。なので求人誌を久しぶりで手に取ってみた。

 好条件の建築現場での求人があったので問い合わせをすると、まだ募集していると答えたので面接を設定してもらう。面接なんて何年振りだろう。これまた何年振りかで履歴書を書いた。初めて一発で書けた。これまでは一枚以上の書き損じを出しながら、一時間以上かけて書いていたのにどうしたことだ?いいことの後にはいいことを帳消しにするよりもやや悪いこと、プラスとマイナスは合わせてややマイナスに傾く、と言うあれを思い出す。うーん、でももう十日以上仕事なくて、金もつきかけてるのにさらに悪いこと?

 新築現場の中の事務所が面接会場だと聞いた。会場に行くと先客がいる。何人か応募があったらしい。

 面接が始まり、説明を聞いてこれなら問題なくやれそうだと思い、いつから来れますかと聞かれたので明日から大丈夫ですと答えた。週払いでこの金額なら、とりあえずはやっていける。先客たちは建築現場は初めてらしい。

 と、安心したら面接官がこう言った。「そうだ。マイナンバーカードは皆さんお持ちですか?」忘れてたよ!それか!後日番号を本社に提出しろと言っている。この間現場でいろんな踏み絵を出されて来た。その度にほぼ膝を屈している。3・11の黙祷も現場では拒絶出来なかった。今度はマイナンバーか。面接官は話を進め、応募に来た三人に確認を始めた。僕が難しい顔をしているのでカードを持っていないのかと再発行手続きの説明をしている。「加藤さんどうですか?今すぐじゃなくて大丈夫ですよ。」「いや、マイナンバーを使いたくないんですよ。」多分僕を除いた三人は全員「この人は何を言っているんだろう? 」って顔をしているのだろう。しばらくのやり取りの後、僕は「申し訳ありませんが今回は」と頭を下げた。もしかすると今回の応募者で一番現場に慣れていそうだったのは僕だったのかもしれない。面接官がどうにかなりませんかと三回聞いてきた。うん、これはどうにもならないね。

 考えてみれば前の日雇派遣の時だって提出しろとは言われたのだ。その時は突っぱねられたものの、今後は難しかろう。ある程度大きい会社はどこも提出しろというだろうな。ウェブの求人にもそう言えば書いてあったよ。

 帰りに慌てて他の伝手をたどってみたが、どこも今は手が足りていると返ってきた。

 さあ、どうしよう!