茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(511)ブックス吉原閉店

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(511)ブックス吉原閉店
加藤匡通
十一月×日(月)
 母の通院で仕事を休んだ。今の現場になってから、人手が足りなくてどうにか回しているのはとてもよくわかるので休みを取るのに気を使うようになっている。医者通いでしか休んでいない。僕としては大変な気の使いようだ。
 昼しか休めず残業までしているのになんで現場の事情を斟酌せにゃならんのか!とは思うものの人手が足りてないから休憩も取れない訳で、この上現場で働く仲間に迷惑をかけるのも、と思ってしまうのだ。全く賃金奴隷もいいとこだな。
    医者の後に、久し振りで置きビラをした。いや、板東まで足を伸ばして店晒しになっているフーコーを買いに行った、かな。この場合、どっちが主目的なのか、最早わからない。しかし道中不安しか感じない。がらがらになった店内の様子が思い出される。まだ続いているだろうか。
    案の定、たどり着いたブックス吉原は開いてなかった。ガラス越しの店内に本はない。入り口の貼り紙には「6月末にて閉店」とあった。六月かあ。間に合わなかった。ああ。
    僕が茨城に来たのは〇五年の秋だが本屋を探してうろうろし始めたのは一年以上後になってからだ。その時で板東市の、と言うか旧岩井市の中心部には本屋が二軒あった。一軒は一年程で閉店してまったと思う。それから十年以上、それでも持ちこたえていたのだ。新型感染症が最後の一押しになったのだろうか。
    旧岩井市の中心部には何年か前にTSUTAYAが出来た。だから、つくばみらい市のように本屋がゼロになった訳ではない。とは言え棚に同じ本を何冊も並べて平然としている大資本の連鎖店はまるで面白くなく、怒りさえ憶える。そんな店で買うよりは、街の小さな店で、と思うものの僕の生活圏にそういった店はほぼない。くうう。