茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(518)出張先でデカルトを読む

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(518)出張先でデカルトを読む
加藤匡通
一月××日(火)
 組合の口座から経費を引き出そうとして、硬貨を入れるだけでなく下ろすのにも金を盗られると気づいた。こんなところから金を搾り取るとは、これも新しい資本主義なのか?デジタル経済への移行を促す?むしろ末期症状に見えるけどなあ。衰退しつつある日本国にはふさわしいのかもしれないけど。硬貨をないがしろにしていると財務省は怒るべきではないのか?
 なぜか泊まり込みで仕事に来ている。普段は断ってる。今回は成り行きでこうなった。駅前のホテルに泊まっている。ホテルを出るとすぐに飲み屋街だが、もう酒の飲めない僕には無縁である。一緒に泊まっている同僚と食べに出たりする訳でもない。古本屋には行きたいが、少々遠いのだ。映画館も遠い。

 で、当然本を読んでいる。講談社学術文庫から出た小泉義之訳の『方法叙説』は読み終えた。大学に入って最初に読んだ哲学書の新訳だ。基礎演習で読んだ『方法序説』の、まあーつまらなかったこと!何回読んでもつまらない。同級生や上級生に聞いてもみんなつまらないと言っていて、俺だけじゃないんだと安心してもいた。要はわからなかったのだ。だが今回は楽しめた。デカルトを読んで楽しいと言える日が来るとは!三十年かかったけどな。

 で、次に『世界の名著15 プロティノス ポルピュリオス プロクロス』を読みだした。中公バックス版の『世界の名著』は僕が大学生の頃は大きい本屋なら当たり前にあったし古本屋には百円均一で店頭に並べてあった。ところが今回読みたくなってネットで検索すると千円では買えなくなっている。愕然としていたら神保町で、やっぱり店頭に三百円で並んでいたので買って来た。プロティノスは十年くらい前に岩波文庫で『善なるもの一なるもの』を読んだが、これがまたまーつまらなかったこと!