茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(520)出張先で『アンという名の少女』『恋せぬ二人』を見る

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(520)出張先で『アンという名の少女』『恋せぬ二人』を見る
加藤匡通
二月×日(火)
 今回の出張先は僕のいるみらい平から電車だと二時間半以上かかる。八時の現場開始には間に合わない。
 最初に行った時は一日だけだから日帰りだった。朝七時に現場の最寄駅で待ち合わせ、と聞いて調べたら始発で出ても間に合わない。たまたまその日に一緒に作業していたのが僕たちに仕事を回してくる会社の人で、その場で次の現場の話が出て、始発でも間に合わないと言ったら「方向一緒だから加藤さん車で拾いましょうか?」と言われた。「あー、それならなんとかなりますね、でも何時にうちの方に来ます?」彼はスマホで調べ「四時に迎えに行きます。」え!
 普段は四時半に起きて朝食を食べたりして五時四十四分発の電車に乗っている。四時に起きるのは始発の五時十八分に乗る時だ。迎えが四時となると朝を食べないにしても三時半には起きないと。運転する訳じゃないし、車中寝てていいんだろうけどさ。きついなあ。
 だが早朝もとい深夜に迎えが来たのは一度だけだった。次からその現場に行くV社の上の会社の人間が変わり、車は僕の自宅方面を通らなくなったのだ。仕方なく、前日の夜に現場の近くに泊まることにした。朝がラクになるとは言え、こんなことは避けたい。プライバシーが確保されてる状態ってのは、身体が仕事に拘束されていない状態のことじゃない。そもそもこの場合、身体はむしろ仕事に拘束されている状態に限りなく近い訳だが。 これが平日で現場が終わってから移動と言われたら断ったかもしれない。
 仕事でホテルに泊まるなんて二十年振りか。日雇派遣の時に一度あった。日雇派遣でも出張の仕事は廻って来るが、僕は断っていたので一度きりだ。その前は、多分会社員だった九十年代半場まで遡る。
 ホテルはビジネスホテル、カプセルホテルやネットカフェより数段上だが快適とは言い難い。枕が変わると眠れないクチなので、ぐっすり眠れないんだよ。それでも布団に入ってる時間は確かに普段より伸びてる。十二時に横になっても六時まで寝てりゃ六時間だ。身体はいつもより楽だろうな。有料チャンネルがカードからレシートに変わっていて、さらに視聴に応じて点数が減っていくのではなく一律一日千円なのにびっくりした。
 今回の出張で唯一よかったと思えるのは、『アンという名の少女』を安心して見れることだろうか。ネットフリックス製作の『赤毛のアン』を現代的に読み替えたドラマで、NHKで日曜の夜十一時から放送されている。評判を聞いていて、見てみたらアンの友だちのお祖母さんが同性愛者として胸を張って生きていた。これは見たい!と思うものの十一時から見たら寝るのはほぼ十二時、五十三歳四時半起きにはもうきつい。だから見るのを諦めていた。なのでちょっと嬉しい。
 次回を見れるのかはともかく、評議会への見事な反撃に快哉を叫び、無事に逃げられたことに本当に安堵した。寄宿学校の下から大量の人骨が出たという新聞記事を読んでいたので、テレビの前で「行っちゃ駄目だ!」と叫んでいたのだ。と、楽しんでいたら次回が二十八日放送と字幕が出た。ん?どういうこと?
 月曜の夜はまたNHKで『恋せぬ二人』があって、これも楽しみにしている。アセクシャル・アロマンティックをテーマにするとは、相変わらすNHKのドラマは攻めている。いいことだ。NHKのドラマが攻めてると気付いたのは『弟の夫』からで、この路線で一番好きなのは『腐女子、うっかりゲイに告る』だが、きりがなくなるのでやめておく。
 こちらも堪能したら字幕で次回が二十一日と知らされる。これは何だ?しばらくして気が付いた。またオリンピックか!いい加減にしろ!