茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇派遣)(526)通販、使いたくないなあ

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇派遣)(526)通販、使いたくないなあ

加藤匡通

三月××日(水)

 昨日仕事の確認の電話を派遣会社に入れると、「倉庫なんですけど事務所移転と同じ額出すからどうですか?」と聞かれた。事務所移転、引っ越しは倉庫作業よりやや金額が高い。物は試しだ、行ってみよう。倉庫作業は二十五年振りか。前はトラックからひたすら手で荷下ろしをしたっけか。

 朝、派遣会社の事務所で待ち合わせて計三名で移動、現場最寄り駅からバスと聞かされ交通費の心配をしたが企業バスだった。企業バスなんて乗ったことない。

 巨大な物流倉庫のごく一部が作業場所だった。通信販売の発送、詳しく言うと商品を大雑把な地域ごとに仕分けしてパレットに積み、配送業者のトラックに乗せる作業である。伝票の番号を見て仕分けをするんだが、説明されてもとても覚えられない。ちなみに説明しているのも同じ派遣会社で、仕分け積み込みは派遣会社が行っている。業務として請け負っているのかはわからない。この日は派遣会社が五人。職長と思しき人は今日の新人三人を端から当てにしてない、と言うか小馬鹿にしている節がある。見返す気なんかないのでどうでも良い。

 作業は九時開始、休憩なしで一時まで作業、一時間昼休みをとって二時から五時半まで休憩なし。午後は四時頃から暇になって来たものの、一時まではずっと動きっ放しだった。パレットに電子レンジを手で積み込み、そのパレットをハンドリフトでトラックの前に動かし。ハンドリフトを一日使ったのは久しぶりだ。これが工事現場なら手が空いたらハンドリフトに乗って遊んだりするんだが、とてもそんな余裕はない。あってもやってたら怒鳴られてたろう。ハンドリフトを動かすのが遅いと言われたが、素人に何を期待している?携帯は持ち込み禁止だったので、万歩計で数えてはいないが一万歩じゃ利かないだろうな。

 商品を用意して伝票を貼り、僕たちに渡すまでは通販会社の仕事だ。彼らも別に通販会社直雇用の正社員なんかじゃないだろう。だが彼らは昼は十二時には取り、三時もしっかり休んでいる。こっちがてんてこまいでも手は出さない。そんなもんだろ。

 物流倉庫を作りに行ったことは何度もある。最近だってV社の仕事のいくつかは物流倉庫だ。だが、中でこんな風に働いているとは知らなかった。今やテレビでもラジオでも、もちろんネットでも通販は大流行、テレビとラジオは多分通販会社がスポンサーにならないと立ち行かないところまで来てる。だが僕はひねくれ者なので、通販にいい印象を持っていない。倉庫に行ってますます悪くなった。エッセンシャル・ワーカーとかカタカナでよくわかんないこと言ってるけど、拍手なんかしなくていいから給料増やせよ、人手増やせよ。新型感染症の中、多くの人が外出しなくても生活出来たのは誰のおかげなんだよ。

 くたくたになって帰ろうとしたら、企業バスは出た直後で次は三十分後だと言う。駅まで三十分歩いた。さらに疲れた。試したからもう倉庫は行かなくていい。僕には辛い。

 事務所で給料を受け取る。一万二千七百三十五円だった。交通費を引いても一万円強残った。