茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇派遣)(528)糠喜びは繰り返される

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇派遣)(528)糠喜びは繰り返される
加藤匡通
四月×日(水)
 V社の仕事は三月末の四日間だけあった。一日母の通院で休むと伝えたら、休む予定の日から仕事はなくなった。他の業者に廻ったそうだ。通院日をずらして出られるようにしたが意味はなかったか。通院予定だった月曜に電話を待っていたがかかって来ないので五時過ぎてかけたら「ごめん、他の業者が今週は入る。」と言われた。それは昨日からわかってたんじゃないの?なんでもっと早く教えないかなあ。早くに言ってくれれば他の仕事探せたかもしれないのに。もっとも、そんなに切羽詰まってるとは思ってないか。
 事務所移転や倉庫作業はあまり嬉しくないので短期のバイトを他に探すことにした。

  ネットカフェで短期・日払いを条件にして仕事紹介サイトを見て、散々迷った挙げ句に配送助手に応募した。仕事紹介サイトは紹介しているだけで、連絡は一旦そのサイトを経由してするものの、結局は直接しなければならない。なんか二度手間だな。配送助手の仕事と言っても応募した会社は派遣会社だ。
 ネットカフェでの作業を済ませての帰り道、会社から連絡が来た。が、明日はもう埋まっていると言われた。ああそうですか、やっぱり前日夜じゃ無理ですよねそうですね。取り敢えず電話をかけてきた会社に登録してくれと言われ、ネットカフェに引き返した。これでどうにかしのげる、と安堵しつつ手続きを始めようとしてすぐに気付いた。スマホ使用が前提になってる。なんだ、また糠喜びか。
 今度はスマホでの手続きのなさそうな仕事を探す。そうするとやっぱり建築現場系の派遣会社になる。馴染みがあるからむしろ気は楽だ。それでもやっぱり色々悩んだ末にパソコンで面接の予約まで漕ぎ着けた。
 日雇派遣で毎日違う現場に行って関係を一から作るのはあまり苦にならない。最悪その日一日我慢すればいい。だが会社となると例えそれが派遣会社であっても、今回はほんの腰掛けのつもりとは言え、ある程度長期を覚悟しなければならない。と言うか、僕は腰掛けのつもりの日雇派遣に二十年以上いたのだ。もう新しい環境に身を投じるのは、小心者の僕にはちょっとしんどい。
 翌日、午後イチで都内の事務所で面接を受ける。健康診断が必要と言われてすぐその会社が契約している近くの医者に行き、事務所に戻ってさて明日はと聞いたら今週は仕事がないと答えられた。「嘘だろ、ベスさん。」いや相手はベスみたいな重責を担っちゃいないが。また糠喜びかよ。
 さらにまた別の派遣会社に登録しなきゃ駄目か?これも罰ゲームなのか?でも何の?