茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(531)縮図

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(社員?)(531)縮図
加藤匡通
六月×日(月)
 U社の仕事は続いている。
 この現場では二百人程が働いている。当然派遣会社はいくつも入っているだろうが、僕が気付いたのは二社だけ。自分が日雇派遣だった頃なら現場での佇まいを見ただけで気付いていた筈だ。何と言う体たらくか。気付いた二社とも三月から四月にかけて働いたところだった。どちらもわかりやすく社名入りのヘルメットをかぶっている。
 倉庫や事務所移転をしていた派遣会社は建築現場にも派遣しているとは、前に書いた。この派遣会社は建築現場では荷揚げ屋をしていて。これまでもいろんな現場で見かけていたが、ここでも正しく荷揚げ屋だった。台車にボードを積み上げて、エレベーターで下ろしていた。エレベーターを使っているとは言え、台車に乗せるのも下ろすのも人力で荷揚げ屋の仕事だ。今の僕では到底荷揚げ屋は勤まらない。エレベーターが使えなければ当然階段になるが、階段でボードなんか運ぶ体力はもうない。
 倉庫や事務所移転と建築現場はほぼ別の人たちなので、「あれ?」「あ、どうも。本業に戻りました。」なんて会話はしなくて済む。
 もう一つの派遣会社は設備現場中心だが結局一日しか入らなかった。思っていたほど現場がなかったらしい。 朝礼でU社の上の衛生の元請けの列に並んだら、隣にその派遣会社のヘルメットを被った数名がいて、びっくりした。こんなとこでこの二ヵ月の賃労働の縮図なんか見なくていいから!