茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

『「移民国家」としての日本』読書会と労働・生活相談会

『「移民国家」としての日本』読書会と労働・生活相談会

 

日時

2026年8月30日(日)

13:30-16:30

 

場所

生存書房 茨城県土浦市川口2-2-12

JR土浦駅徒歩5分

https://seizonshobo.com 

 

13:30-15:00 読書会                    

15:15-16:30 労働生活相談会(別室にて)

 

主催 茨城不安定労働組合 

連絡先 ibarakifuantei@gmail.com 090-8441-1457(加藤)

 

*読書会のテキストは宮島喬『「移民国家」としての日本—―共生への展望』(岩波新書、2022年)です

*参加は相談会だけでも読書会だけでも構いません。

 

この国が単一民族国家だったことなど本当は一度もなかったが、まだその妄想にすがりたい人は多い。政治家は否定しているし、多くの人も認めたがらないがこの国は事実上移民を受け入れている。近年は観光や商用などの短期滞在ではない新規入国の外国人は年平均で四十三万人を越えている。これは、その倍以上を受け入れているドイツとアメリカについで多いイギリスと同じ規模である。

「「外国人労働者」と呼ばれ、量的にカウントされ、質的にはせいぜい熟練度によって格付けされるだけの人々も個々にみるなら、「人」である。それぞれの文化的背景をもち、母語をもち、信仰する宗教をもち、家族をもち、生活信条、趣味等々をもつ、全的な人間である。しかし、母国を離れ、国際移動し、ある国に労働者として受け入れられるとき、彼らはそうした「人間」的側面をたいてい切り落とされている。家族から切り離され、「単身労働力」ととらえられ、母語が尊重されることはなく、日本語ができるか否かだけが問題にされ、ムスリムやクリスチャンであっても、祈りや会衆の場も与えられない。」

 そして私たちはかつて植民地で、またこの国で植民地の人たちにしていたのと同じふるまいを繰り返している。暴言を吐き暴力をふるっている。街中で、職場で、議会で。制度を変えて手数料を十倍に引き上げてもいる。影に陽に、外国人は出ていけと言い続けている。そんなことが許されるはずがない。だが、私たちのいるこの国は、それを許容し続けている。

 「外国人通報報償金制度」によって差別・排外主義運動のトップに躍り出た茨城県で「外国人労働者」=「移民」について考える。

 



八月の電話相談

茨城不安定労働組合では月2回、第二第四水曜に労働相談を行っています。
解雇された、給料が払われない、休みがとれない、嫌がらせをされている、入ってみたら条件が違う、と言った労働相談から、解雇されて金がなくなり家賃が払えない、既に部屋を出されている、生活費がないと言った生活相談まで、正社員、アルバイトなどを問わず受け付けます。自営業、管理職でも大丈夫です。まずはご相談を。

 

8月の相談会は下記の通りです。

第一回相談会 8月12日 水曜日 20:00〜22:00

第二回相談会 8月26日 水曜日    20:00〜22:00

相談電話番号 090-8441-1457(加藤)

 

二十一年四月から当分の間、組合事務所での相談を中止し、電話相談そのものは上記の携帯電話でこれまでと同じ第二第四水曜日の20-22時の時間帯で継続します。(携帯電話への相談はいつでも受けつけています。お急ぎの時は労働相談日を待たずに電話してください。) 電話料金を気にしている方にはこちらから電話します。とにかく一度電話をしてみてください。 電子メールでの相談も随時受け付けています。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(617)トイレのない現場が続く

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(617)トイレのない現場が続く
加藤匡通
八月×日(金)
 時間調整で斫りをした現場に出たり入ったりしている。後から追加でこの日も人を入れて欲しいと元請けが言っても、人手がなくて受けられないと答えられてしまうのだと監督が言ってた。後から、と言ってもそんなに直前でもないらしいんだが、会社の規模が、と言うか抱えている人数がそうは多くないのだろう。飛び飛びで入るよりまとめて入った方が、荷物も置いておけるし楽なのは言うまでもない。
 この前はピットに入って床を斫ったり水替えを、二人でやった。一週間空けてまた同じ現場に入った。会社からのメールにビット内清掃等となかったので、他の業者を呼んでその作業を終わらせてたかと思っていたらまたビットと言われた。「終わってなかったの?」「また加藤さん呼ぶって言ったじゃん。」他の雑工も掴まらなかったんだろうな。
 今回は一人だった。二人頼んだけど手が足りなくて一人しか入らないと言われたそうだ。盆休み前で現場をきれいにしたいところは多かろうよ。
 朝一番でビットの釜塲の底にコンパネがあるのでそれを取って欲しいと言われた。「水は?」「あります。」だろうと思った。会社からの指示に入ってなかったから長靴持って来てないよ、と言ったら監督の長靴が貸し出された。
 釜塲とは水を溜めるための場所、例えば建物を建てるために地面を掘削している場合、水が、湧くなりして溜まるので、初めから窪地を作ってそこに水が溜まるようにしておく。そうしないと掘削したところが全面的に水浸しになって作業がやりづらくて仕方なくなる。同様にビットの中にも水が溜まる場所を用意しておいて床全面水浸しを避けるのだ。
 ここのピットは人が真っ直ぐ立てる高さだ。これは本当に場所によって違って、四つん這いでないと動けないピットもある。釜塲は一メートル×一メートル三十で深さが八十センチくらい。そこに水がたっぷりと、五十センチ近く溜まっている。僕の履いている長靴がまるまる収まる深さだ。
 ビット内の釜塲には、完成すると排水用のポンプが設置される。僕も設備屋の時に設置したことがある。だがそれは完成直前、引渡し直前に設置される。この現場のピットもそうで、ポンプが塩ビ管に繋いであったが塩ビ管が全部は繋がっていなかった。電源も繋がってない。繋いであれば楽なのにな。
 こういう時に水を抜くための水中ポンプはリース品で返却されていて、もうない。前回の水替えは塵取りとスポンジ、がなかったのでウエスとバケツでやった。今日もそうなる。ただ、量が桁違いだ。
 釜塲に入らなければバケツで水は汲めないので釜塲に入る。汲んだらよっこいしょとピットの床に上がる。この動作、もう若くないと言うか身体中ガタガタなので一挙動では出来ない。足なんか上がる訳がない。で、ピットから地上に出るのは梯子である。ピットには、壁から突き出た手摺のような昇降用の梯子がついている。これは水の入ったバケツを持って昇れるような物ではないが、前回はこれを昇った。今回はたまたま電気屋が作業用に脚立を入れたままにしていたのでそれを借りた。おかげで梯子は三段くらい使うだけで済んだ。何より脚立を使えばバケツを床に上げられる。前回は梯子を掴みながらバケツを一段一段引き上げていたので雲泥の差である。地上に出たら、バケツの水を近くの砕石の上にあける。
 三メートル近い高低差を昇り下りするのは結構な運動量だ。水の入ったバケツを持って階段を行ったり来たりすることを考えればいい。階段の昇降は熱中症リスクを上げる激しい運動として、現場に掲示されるくらい実は激しい運動である。なら夏場に階段使わせるなよ、と思う訳だが、バケツ持ってのピットの昇り下りなんかもっとさせんなよ。最悪の場合落ちたら死ぬぞ。
 やってみると、やっぱりきつい。昇り下りを何回繰り返したんだろう。五、六十回?ピットの中は地上よりやや涼しいとは言えきつい。水中ポンプなら二十分かからず抜けるのに!
 仕上がってる地上床面をバケツを持った長靴のまま歩けるように養生したりして作業開始は八時半、バケツではすくえない水を塵取りとスポンジでとり終わり最後に水を捨てたのは十一時半だった。水替えに午前丸々費やした、と。そもそも一人でやる作業じゃない。多分、二人なら半分以下の時間で終わってる。
 コンパネを取る準備をして早いけど昼に入った。
 ピットの底のコンパネとは、躯体のコン打ちの時の型枠である。大工が取り忘れてそのままになっていたんだろう。気付こうよ。前回ピット内の釜塲の水抜きをしていて、僕が発見し、撤去したのだ。監督はそれで他の釜塲を確認したに違いない。
 前回は二枚のコンパネで出来ていたので真ん中の割れ目にバールを突っ込んでこじれば型枠の名残は取れた。今回は一枚、型枠なんだからバールを突っ込む隙間はない。ピックで斫って真ん中から割るんだが、残った水が顔にはねる。汗だくで作業をしているとはいえ、水がきれいなはずがない。全く嬉しくない。
 半分に割ったと言うか切れ込みを入れたコンパネに大バールを突っ込みハンマーで叩いてこじり、そこに中バールを突っ込んでさらにこじる、を繰り返してコンパネを外した。
 次はピット内の床清掃だ。床にはモルタルが飛び散りまくって放置され、皮スキでは取れないくらいに固まっている。またピックだ。
 結局この後はずっと斫りだった。
 盆休み前の一カ月でトイレの使えない現場に三回入った。
 敷地が狭くて外構にトイレを設置する余裕がないと言われれば、まあわからなくはない。でもどっかにスカイトイレくらい置けるだろ?こぼして汚したくない?うーん。 と言う現場が二つ。近くの公園のトイレを使えと。作業員が公園で着替えていると通報されたりするんだが、都合よく使い分けが出来るらしい。
 もう一つは繁華街の駅前の小さな商業ビルで、やっぱり敷地が狭い。ただ内装も仕上がってる。だからトイレは使える状態のはずだが使わせず、近くのパチンコ屋に行けと言う。こちらは明確に使わせない、だ。見た目は小綺麗な商業ビルだが、せこいことをする。現場でトイレくらい使わせろよ。
 トイレが設置されていない現場がこらまでもなかった訳ではないが、こんなに続くのは初めてだ。元請けが小さければ引き受ける現場も小さくてトイレを設置する場所がなくなることはありうる。けどやっぱりトイレの分の金を削ったんだろうな。これからこういう現場は増えるのだろうと思う。
 あ、勘違いさせたかもしれない。今日の現場はトイレ使えたから。 

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(616)時間調整

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(616)時間調整
加藤匡通
七月×日(金)
 都内のマンションに来ている。最上階がすごく小さい部屋でびっくりしたが、いろいろ差し障るので詳しく言うわけにはいかないのだ。僕が三十年前に住んでいた三軒茶屋の四畳半トイレ共同一万八千円を思い出す広さなんだけど、家賃いくらなんだろ?
 水曜はバルコニーのドレン、つまり排水口の蓋を着けて廻った。昨日は半日外構のガラを袋詰めしてた。これ、一人でやってたけどふつうは二人でやる作業だ。袋を開けてスコップですくったガラを袋に入れる、こう書くと簡単そうだが一人でやるとまるで捗らないんだよ。以前、一人でやってたら土工が見かねて手伝いに来たことがある。そのくらい一人だと進まない。
 金曜まで雑工を呼んでいると言う。帰りがけに明日は?と聞いたら、やることなくなっちゃったな。なにしてもらおうか。と言ってる。一日詰所でぼっとしててもこちらは一向に構わない。ま、何か考えるだろ。
 で、今朝。建物の玄関部分の工事はこれからだ。まだ土のままで、外構屋が小さなユンボで掘り返している。その、建物の際に薄くコンクリが打ってある。土のままだと泥を引っ張って汚すので汚さないためのコンクリである。こういうのを捨てコンと言う。「加藤さん、捨てコン斫って」
 建物の入口な訳だから人の出入りはここからだ。裏で掘った土を一輪車で運んでダンプに乗せるのは、外構屋時代によくやった作業だが、その通り道にもなっていて、コンパネが何枚か敷いてある。「よっこいしょよっこいしょしながら斫るの?」「そうだね」捨てコンは幅が五百、長さが八千と言ったところだろうか。厚さは分からない。監督も憶えてないと言っている。
 人が通る脇で作業をしているから邪魔だと思えば身をかわす。厚みが分からないので斫っていても底が見えず監督に確認したら「そこ、多分躯体が出っ張ってるからもういいよ。」。外構屋の通り道は今日はいいかと思っていたら、外構屋が気をきかせてコンパネをずらしてくれたのでそこも斫る。電動ピックで斫り、バールでかいて、自分でガラを袋に詰める。斫りの用意なんかしてないからマスクは普通のマスクだしただのゴム軍手だ。
 大した斫りではないと始める時はいつも思うがたいていそれなりに手間だったりする。斫りだけじゃないな、全ての作業がそうか。丸一日かけて三分の二が終った程度だ。本職なら一日かからないのだろう。
 明日は残念ながら手配がなくて僕は休みだ。土曜休みの現場は本当に増えている。週明けはまたこの現場の可能性は高い。そうすると残りはその時か。そう思いながら監督に聞いた。「ここどうするの?」「明日ユンボが入るから叩いてもらいますよ。」へ?なら全部明日ユンボに叩いてもらえば。あ!やることないから斫ってたのか!昨日のガラからそうなのか!
 わざわざ仕事を用意して下さるのはありがたいことでございます~。

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(615)ありがとうシネプレックスつくば

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(615)ありがとうシネプレックスつくば
加藤匡通
六月×日(火)
 三ヶ月通った現場が終わった。そろそろ僕の仕事は終わりとは聞いていたが、ある日、十時の休憩直前に担当の監督から「これまでありがとうございました。」とあいさつされ、まだ二、三日あると思っていたのできょとんとしていたら「加藤さん今日までですよ。あれ、会社から聞いてませんか?」と言われた。仕上がったところばかりであとはクリーニングが中心だから雑工の出番はない。所長が予定を前倒しして雑工を切れと指示したそうだ。まあ、そんなもんだよ。
 この何年か都内に出る機会が減っている。現場が割と近場のことが多かったのだ。おかげで朝はもの凄くラクだった。十一時過ぎに布団に入っても毎日六時間眠れるのだ。夢のようだぜ!・・・はかない夢だこと。
 だがその一方、都内で仕事をしていれば帰りに学習会に寄ったり出来るが、近くで仕事をしていれば足は遠退く。映画だって同じで、現場が近場となると近場、あるいは地元の映画館で見る方がどうしたって増える。都内まで出ると上映時間に間に合わなかったりするし、何より交通費が痛い。交通費だけで正規料金の映画一本分なのだ。なかなか都内まで映画を見に行く気にはならない。
 なので県南のシネコンで見る機会が増えていた。県南にはシネプレックスつくば、ムービックスつくば、USシネマつくば、土浦シネマサンシャインとシネコンが五つあり、さらに土浦セントラルシネマと言う昔からの映画館がある。正直、ちょっと多い。僕の家から車で一時間圏内だとこれに守谷にあるイオンシネマ守谷と下妻にあるイオンシネマ下妻が加わる。守谷と下妻は県南ではなく県西だが、自宅から一番近いのはイオンシネマ守谷だ。 
 これらの映画館の中で最もよく通っていたのがシネプレックスつくばである。何せ僕が茨城に来た二〇〇五年には県南、県西で映画館はここと土浦セントラルシネマと前に休館したシネマサンシャイン岩井、それに一度も行くことなく終わった石岡パレットシネマしかなかったのだ。この中で一番近いのはシネプレックスつくばだった。土浦と石岡は明らかに遠く、日常的な移動をする地域ではなかった。岩井も移動圏内ではない。
 ちなみに八十年代セゾン文化の華シネセゾンのつくば展開である、筑波西武に入っていたキネカ筑波は僕が来る前に閉館している。跡の空間はイベントスペースになった。映画の上映もたまにあって、そこで見た映画なんだったっけなあ?
 最初に見たのは『シン・シティ』だろうか?『ぴあ』で茨城の映画館を探すと、他の県は駅で探せるのに茨城は最寄り駅で探せないのだ!ポイントカードを作ると六本見たら一本無料になる、今ではよくみるサービスだが、僕はシネプレックスつくばで初めて知った。今はイオンシネマ守谷となっているワーナーマイカルシネマズ守谷が〇七年六月にオープンするまでは、県内で見た映画はほぼシネプレックスつくばだけだ。だから六本なんてあっと言う間で二、三ヶ月で一本無料になった。
 周囲にシネコンがいくつも出来ると次第にそれぞれの個性が出てきたが、シネプレックスつくばはミニシアター系の映画が多かったと思う。岩波ホールで上映中なのに上映した『おじいさんと草原の小学校』や『バハールの涙』『福田村事件』はここで見た。
 もちろんミニシアター系に限らない。『ヱヴァンゲリヲン』は二本目から、『ダークナイト』も『クローバーフィールド』も『新訳Ζガンダム』も『アイアンマン』もここで見た。『インファナル・アフェア』三部作のリバイバル一挙上映もここで半日過ごした。「午前10時の映画祭」もここで見てる。だから二回目か三回目の『七人の侍』も何度目だかわからなくなっている『座頭市物語』も、『2001年宇宙の旅』も二度目の『ベン・ハー』も、『フレンチ・コネクション』も『ジャッカルの日』も『灰とダイヤモンド』も、それどころか何度目だかよくわからない『空の大怪獣 ラドン』や『海底軍艦』『妖星ゴラス』『アルゴ探検隊の大冒険』もここで見てる。黄金期東宝特撮を地元で見られるとは思わなかったよ。
 都内にいたころは、基本的には二十三区と三鷹までが映画を見に動く範囲だった。三軒茶屋東映に通っていたのは小学校高学年から高校まで、それも年に多くて数回だ。池袋の文芸坐や大井町武蔵野館、中野武蔵野ホールはよく行っていたが、それだって特集に通ったりしない限り年に数回だ。特集があったって日参でもしない限り十回を多少越す程度だろう。あるいは渋谷のバンテオンや東急レックスは地理的に近い上に東京ファンタに通っていたからよく行っていた。それでも渋谷パンテオンで見た映画は百二、三十本くらいだろう。
 映画館で一番思い入れがあるのは桜丘町にあった頃のユーロスペースで、高校生から三十過ぎまで、ホラーからピンク、ドキュメンタリーといろいろ見せてもらったが、それだって特集がない限りは年に十回も行ってない。だいたい、いくら気に入った映画館だろうと目的は映画なのでその映画館に行くこと自体にはならない。見たい映画を上映している場所に行くのだから、行く先は都内に散らばる。年に百本見ても、特集に通ってでもない限りは同じ映画館に十回も行かない。
 映画館の寿命は思っていたより短いと、この文章を書いていて気付いた。バブル期に青山にあったキノ青山は極端に短い例だが、武蔵野推理劇場の閉館から立ち合った自由ヶ丘武蔵野館は二十年も経たずに閉館した。新宿のシネマスクエアとうきゅうだって三十年程度だ。一時期渋谷に乱立したミニシアターは十年もったか怪しい。かつてどの街にもあった映画館は映画が斜陽になるとことごとく消えた。映画館の平均寿命は四十年ないんだろうな。
 シネプレックスつくばで見た映画はこの二十年強で二百本程度だろうか。最早数えようがないので、大雑把にしか言えないが、そんなに通った映画館は他にない。そのシネプレックスつくばが五月末で閉館した。告知は三月から出ていた。借地の契約終了だと言う。従業員たちも告知直前に聴かされたらしい。
 五月には何度か足を運んだ。見たい映画が何本かかかっていたのだ。『オールド・オーク』『ロスト・ランド』『霧のごとく』の三本は母と見た。
 最後の日に『シンプル・アクシデント(偶然)』を見た。その日最後の一本で、最終回は七時前に終わった。本当に最後の上映になるのはさらに三十分後に終わる『マンダロリアン&グローグー』だが、そこまではつきあえないし、『シンプル・アクシデント(偶然)』を見損ねたくなかった。ほんの少し先のこの国を見ているようで他人事に思えない。この一年、そんな映画が増えている。僕たちのいる国の状況は急速に悪化している。今年の初めにやはりシネプレックスで見た『クィーンダム』でも同じことを思った。
 地味な映画で、普段ならこうした映画は十人も入ればいい方だ。だがこの回は三十人入っていた。閉館を惜しんでいる人たちが最後に見に来たのだろう。
 三十年以上前、三軒茶屋映画劇場の最後の上映は『アウト・フォー・ジャスティス』と『私がウォシャウスキー』の二本立で、そんな映画ではないにも関わらず最終上映の『私がウォシャウスキー』が終わると拍手が起きた。『マンダロリアン&グローグー』の最終上映でも拍手は起きたろうか。
 上映していたスクリーン(この言い方には違和感が強いが何と言えばいい?)を出てパンフレットを買おうとしたら売店はもう閉まっていた。時間ぎりぎりで入ったので、年に一回見るかどうかの売店前の行列にパンフは後でいいやと思ったんだが失敗したな。シネプレックスの出口前には従業員が並んで一人一人に挨拶をしている。もちろんそんな光景を見たことはない。彼らの前を通ると「ありがとうございました」の声と共にお辞儀をされ、こちらも頭を下げながら涙が出そうになった。
 今までありがとう、シネプレックスつくば!

 

『国家と移民』読書会と労働・生活相談会

『国家と移民 外国人労働者と日本の未来』読書会と労働・生活相談会

 

日時 2026年6月21日(日) 13:30-16:30

場所 生存書房(茨城県土浦市川口2-2-12 JR土浦駅徒歩5分)

https://seizonshobo.com

 

13:30-15:00 読書会  

テキスト:鳥井一平『国家と移民 外国人労働者と日本の未来』(集英社新書、2020年)                  

15:15-16:30 労働生活相談会(別室にて)

主催 茨城不安定労働組合 

連絡先 ibarakifuantei@gmail.com 090-8441-1457(加藤)

 

*参加は相談会だけでも読書会だけでも構いません。

 

私たちの社会は外国人労働者を体よく使い捨て続けてきた。人口が減少し、彼らがいなければ社会のいろいろなものが維持出来なくなる程に外国人労働者に頼っておきながら、安い賃金で、ひどい労働条件で働かせ、さらにいろいろな局面で差別をしている。時給三百円で残業させ、外出禁止の寮に閉じ込め、妊娠を禁止し、性交渉を迫る。挙句、「不法就労」の外国人を通報しろと県庁が言い出し、かと思えば職場に押しかけて「外国人は出ていけ」と騒ぎ立てる。去年の国政選挙で参政党が選挙演説の体裁で差別発言を繰り返してから、これまで以上にひどくなった。

使い捨てられているのは日本人の労働者も同じだ。労働者人口の四割を占める非正規労働者二千百万人はそのまま使い捨て可能な人数だし、正規の労働者も使い捨て可能な人数に含まれる。私たちの社会がいかに人間を使い捨てているかは、ここに書かなくとも読んでいるあなたはよく知っているだろう。

「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった。」とはスイスの劇作家の言葉だそうだが、これも外国人労働者だけでなく全ての労働者に当てはまる。私たちは労働力と言う商品を売っていることになっているが、これはフィクションだ。労働力は私たちの心身から切り離しては存在しない。私たちが労働力を売る時、私たちは一人の人間を丸ごと売っている。すべての労働者は労働のたびに、自分を丸ごと売っている。だから傷つく。

外国人労働者はこの社会で最も弱い立場に置かれているが、彼らが権利を求めて声をあげることが、日本人労働者の権利の向上にもつながると『国家と移民』の著者は言う。どういうことなのか、「通報報奨金制度」のできた茨城で考えてみたい。

 

 

五月の電話相談

茨城不安定労働組合では月2回、第二第四水曜に労働相談を行っています。
解雇された、給料が払われない、休みがとれない、嫌がらせをされている、入ってみたら条件が違う、と言った労働相談から、解雇されて金がなくなり家賃が払えない、既に部屋を出されている、生活費がないと言った生活相談まで、正社員、アルバイトなどを問わず受け付けます。自営業、管理職でも大丈夫です。まずはご相談を。

 

5月の相談会は下記の通りです。

第一回相談会 5月13日 水曜日 20:00〜22:00

第二回相談会 5月27日 水曜日    20:00〜22:00

相談電話番号 090-8441-1457(加藤)

 

二十一年四月から当分の間、組合事務所での相談を中止し、電話相談そのものは上記の携帯電話でこれまでと同じ第二第四水曜日の20-22時の時間帯で継続します。(携帯電話への相談はいつでも受けつけています。お急ぎの時は労働相談日を待たずに電話してください。) 電話料金を気にしている方にはこちらから電話します。とにかく一度電話をしてみてください。 電子メールでの相談も随時受け付けています。