茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

「派遣切り」「雇い止め」イザというときのたたかい方

この間、ビラで紹介している内容です。

  • 賃金の保障を要求する

 「派遣切り」の場合、契約途中の解除なら残りの賃金保障を求めることができます。期間満了で契約更新拒絶の場合も、契約が繰り返し(おおむね3回以上)更新されていれば、実質的には期間に定めのない働き方をしているとみなされ、解雇に伴う保障を求めることができます。3回未満でも契約を繰り返し更新して働けると期待できるようなことを言われていた場合も交渉の余地があります。未払いの残業代がある場合は、退職してからでも会社に請求できます(賃金債権の時効は2年)。これらの交渉は、一人でも加入できる労組に加入して行なうことをおすすめします。

  • 住まいを確保する

 まずは、最寄りの福祉事務所で、生活保護の申請をして、アパートを借りるなど、住居を確保してはいかがでしょう。生活保護は、憲法25条で定められている生存権を保障する国の制度です。国で定める「最低生活費」に満たない収入しかない場合、足りない分が保護費として支給されます。ただし、「水際作戦」といって、福祉事務所の窓口で申請書を出させないように対応する職員もいます。その場合は、法律家や支援団体、労働組合の担当者と一緒に窓口へ行って申請してください。
 昨年12月から、厚生労働省は、ハローワークを通して、社員寮などから退去を余儀なくされた人への住宅確保のための支援を始めました。具体的な支援内容は、「雇用促進住宅の入居あっせん」と、「住宅入居初期費用、家賃補助費、生活・就職活動費の資金の貸付」。相談は各地のハローワーク受け付けているので活用できるものは活用しましょう。

 雇用保険には加入していましたか? 雇用保険は国の制度で、失業したときにお金が支給されるので失業保険ともいわれています。人を雇っている事業所は基本的に、雇用保険の加入手続きをしなければなりません。月々の保険料は雇い主と労働者がそれぞれ負担します。
 加入の基準は、続けて1年以上働くつもりであること、一週間の労働時間が20時間以上であることです。失業給付は、雇用保険に加入していた期間が一二カ月以上(解雇など会社都合による退職の場合は6カ月以上)あれば受給できます。会社を辞めるときに渡される離職票雇用保険被保険者証を持って最寄りのハローワークに行きます。
 離職の事由を「自己都合」にされてしまうと、失業保険の支給までに3カ月の給付制限期間ができてしまうので、必ず「事業主都合」の事由で発行させましょう。
 また、派遣労働者の場合、離職票の交付を不当に1ヶ月程度待たされてしまうという慣行がありますが、厚生労働省は、派遣労働者にこの慣行を一律に適用しないようにという通達を出しています。1週間以内に交付するよう交渉しましょう。
 もし、加入要件を満たしているのに会社が雇用保険の加入手続きをしなかった場合は、退職後でも、2年前にさかのぼって加入手続きをすることができます。ただし、ハローワークの窓口できちんと対応しないこともあるので、一人でも加入できる労組が同行して手続きするとスムーズにいくことが多いです。必ず仲間はいます。自分のせいだと諦めたり、自分を追い詰めたりせずに、相談してください!

  • 寮に住み続ける交渉をする

 「派遣切り」に遭った人たちは、いきなり所持金がわずかになるわけではなく、寮を出てしまい、ネットカフェなどに滞在して、ギリギリまで自分で何とかしようとして、次の仕事を探しながら、次第に蓄えが尽きてしまう例が多く見られます。
 しかし、辞める前なら有給休暇(年次有給休暇)も使えます。有給休暇は、フルタイムで働いた場合1年に10日、給料をもらいながら休めるという、労働基準法で定められた権利です。とりあえず「半年で10日」、勤続年数が延びるのに合わせて、最大20日まで有給が取得できます。短時間雇用でも所定労働時間によって取れる日数が決まっています。
 寮を出る前なら、そのまま住み続けて派遣会社と交渉することもできます。「解雇は認めません。働き続けます」「(借地借家法27条の賃貸借の解約には6ヶ月の猶予が必要ということを根拠に)寮は出ません。ここに住み続けます」「家賃は払います。今まで通り給与から天引きしてください」「解雇は認めません。今まで通り給与を払ってください」と答えて、1人でも加入できる労働組合に加入して、住居の確保や雇用の継続について交渉することもできます。<<