茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(352)中池袋公園で市を見つける

加藤匡通
九月×日(土)
  先日二日続けて池袋の現場に行った。片付けだの掃除だの養生だのをやらされたが、それはいいや。大学一年二年の時は乗り換え地点だったので池袋は毎日来ていたものの、特に日雇派遣になってからは池袋の現場なんてほとんど入ったことがない。新・文芸座にも来ることはなくなり池袋は今の僕にはほぼ縁のない街になっている。
  一日目の帰りに古本屋で学習会の課題図書、岩波新書版『昭和の終焉』を九十八円で入手した。この本は現在品切れ中なれど、今はネットで古本も割りと簡単に入手出来るので品切れの本でも課題図書になってしまう。岩波新書版『昭和の終焉』はネットだと一円から売られている。それに送料が二百円以上乗って払う額が決まる。一番安いとこんなで、最早誰に金を払っているのかもわからない。そんなもんより古本屋に金を落としたいのは当然で、だから最近は普段に輪をかけて行く先々で古本屋を熱心に覗いていたのだ。こんな風に期限が決まってて古本屋で本を探しても見つからないことの方が多いので、今回は運が良かった。
  で、二日目の帰り道のこと。駅の割りと近くに中池袋公園と言う公園がある。集会なんかでよく使う豊島区民センターの前で、アニメイトの前でもある。中池袋公園と聞くともう何年も前の2・11反「紀元節」デモで、出発地点になっていたのに機動隊にぐるぐる巻きにされて閉じ込められたことを思い出すんだけど、今回はその話ではない。ぼーっと歩いていたら公園に差し掛かった。何か違和感がある。女の子がたくさんいる。服装からするとおたくのようだ(最近こそ現場労働者風になっておりますが、八十年代十代の頃はベルボトムジーンズをはいておりましたワタクシも外見でおたくかどうか判別される側であります。)。何でたむろしてるんだ?と思いながら公園に近づいて行くと、彼女たちの多くが公園内のベンチではなくコンクリ製の花壇の脇に座っているのに気付いた。通りすがりにちょっと覗いてみたら、アニメやゲームのキャラのブロマイドや小物が並んでいる。売ってるんだ。パッと見、仕切ってる者がいるようにも見えない。つまりこれは腐女子による自然発生的な市なのか!流石乙女ロードのある街池袋、と感動してしまった。いや、通りすがりに見ただけだから僕の勝手な思い込みかもしれないが。