茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(193)改札前でよかった

加藤匡通
十ニ月××日(水)
先月からずっと北千住乗換が続いていたからか、終点の秋葉原まで行っていいところを今朝は寝呆けて北千住で降りてしまった。「あ、北千住だ。下りなきゃ」と席を立ってホームに出て階段下りながら切符を取り出そうとして気がついた。 何やってんだか。次の電車に乗って秋葉原まで出たが、この段階で十分遅れている。なのに乗り継ぎの関係で現場の最寄駅には五分しか遅れなかった。
現場裏手は安アパートが立ち並ぶ路地になっている。二十年以上過ごしたアパートも似たような一角にあった。僕の住んでいたアパートの前の道がアスファルトで舗装されたのは七十年代の終わりになって、トイレが水洗になったのもその時である。これはその地域では、と言うより区内で一番遅かったのだと思う。アパートの裏手はいつになっても舗装されなかった。その意味に気付いたのは二十代も半ばになってからだ。そこも区画丸ごと潰されてマンションになってしまって随分経つ。やたらと大きな家の並ぶ高級住宅地やマンションばかり並ぶところよりもこんな場所の方が心がなごむ。