茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(234)誰か電話くれ

加藤匡通
十二月×日(水)
   気がついたら携帯の発信履歴、着手履歴ともに派遣会社の番号で埋まりつつある。自らの関係性の貧困を見せつけられるようで気が滅入るな。働いていればその関係者で発着信が埋まるのは当たり前か?でもこれは望ましい状態ではない。女性からの電話なんて一件もないぞ。いや、それはともかく。
  今の僕は朝、現場の最寄駅で一回と夕方仕事が終わって一回の最低二回派遣会社に電話をかけている。朝は待ち合わせた人と合流したので現場に向かう、あるいは現場にもうすぐ着くと言う電話で、夕方は作業終了の電話である。残業の報告は夕方の電話でする。本来は朝は自宅を出る際にも電話をすることになっていたような気もするが、これは守っている人の方が少ないと思う。夕方の電話で翌日の手配の確認が済んでしまうこともある。続きの現場なら、加藤さん明日も、で終わりだ。そうでない時はさらに後で翌日の現場についてのやり取りをする。最近は手配の細かい情報もメールで受けられるそうだが僕は電話のやり取りが基本だ。翌日の現場名、住所、派遣先の会社名、持っていく装備、道具類、現場で連絡すべき派遣先の職長や監督の携帯番号。集合場所での点呼役になるとこれに点呼人数や名前が加わる。新規入場の記入済用紙が必要となれば、コンビニのファックス受け取りサービスを使って用紙を受け取ったりする。
  これが職長ともなれば(派遣会社から来た日雇派遣だって職長をすることはあると、何度か書いてる。珍しくはない。)監督や他職、派遣会社との打ち合わせまであったりして電話の回数はぐんと増える。電話代を会社が持ったとかその分手当がついたとは聞いたことがないが、会社によりけりだろう。昔いた、アル中が理由で切られたフルキャストは点呼に手当をつけていたし。
  ちなみに今朝の電話は現場のすぐ近くから「加藤です、もう現場です。今日給料取りに行きます。」と留守番に吹き込んで、夕方の電話は「加藤です、定時です。」「加藤さん明日も同じで。」「はい。」「じゃよろしくお願いします。」、だった。実に素っ気ない。これが仕事中に派遣会社からかかってきた翌日の手配確認だと、「加藤さん明日も同じで。」に対して「はい。」を何度か繰り返すだけで終わりだ。ま、電話に出るだけましだと思ってくれ。