茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(239)クリスマスにコン打ち

加藤匡通
十二月××日(水)
  年内の賃労働も今週で終わりだ。昨日今日と同じ現場に入っている。都心の駅前にある商業ビルの改修工事、養生・クリーニングのJ社の仕事である。I社やN社以上に仕事は減っていて、僕のいる派遣会社にはあまり仕事は回ってこないらしい。
  今日の作業は地下二階でのコンクリ打設。I社やN社ほどには驚かないのはJ社の方が雑工の印象が強いからだ。でもさすがに職長がバイブ持ってたのにはびっくりしたな。まるっきり土工だよ、それじゃ。既存の床の上に鉄筋組んで床のかさ上げをする。何か重量物を置くのだろう。そんなに広くもないので上手く進行すれば時間はかからない。二トンの生コン車が地下一階に来て、そこで台車に生コンを入れ、エレベーターで地下二階に持って行き、開けて帰ってきて、を繰り返す。僕たちの仕事は生コンを台車で押していくのが中心。台車を開ける時はスコップでかき出すから体力を使うと言えば使うが、これはそんなに大変ではない。一回の量が少ないし時間も短いからだ。問題は都心なので生コン車が渋滞に巻き込まれたりせずに上手く回ってくるかと言うことと、ビルは動いているのでエレベーターも動き続けているからタイミングよくエレベーターに乗れるかどうかだ。幸い昨日は休みなしだが午前中でコン打ちは終わり、二時過ぎには現場を出れた。生コン車一台から台車に五台の生コンが採れ、生コン車は五台来たので三十回台車を運んだだけだ。土間屋は別で来ている。午前中で終わったのに土間仕上げは五時近くまでかかったそうだ。冬だから固まるの遅いんだよな。
  今日は七台、途中三十分待ちがあったりしたもののおおむね順調に進んだ。エレベーターも、うるさいところになると徹底してビルの従業員優先だったりして一人でも乗っていたら見送らなければならないが、ここは「すいません乗りまーす」と台車を入れて問題ないのですみやかだ。昼を小一時間とって午後に二台、二台目の台車を運んでいる最中から台車通路の養生を撤去して掃除を始めていて三時には作業は終了していた。派遣会社から来ているのは僕だけ、あとはJ社からだがみんな早上がりならとっと帰りたいらしい。そりゃそうだ。
  二日続けて早上がりだが今週は夜の予定が詰まっている。もちろんプライベートが充実している訳ではない。全部運動である。映画を見ている時間はない。『フォンターナ広場』か『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ』あたりを見たいものだが年内はもう無理かな。いや、金がなくなるから年が明けても無理か。