茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(305)二日でバランスとれてます

加藤匡通
三月××日(金)
  明日は近場で用意します、とか言われ、都心までは出ないで済んだ。駅改札に八時十五分集合、念のためだいぶ余裕を持って早目に着いてマクドナルドに入って本を読んでいた。ぎりぎりだと電車で座れないしな。それでも普段は四時半起きが五時になり、気分的にはかなりラクだ。朝の段階でかなりの余裕である。こういうのはうれしい。
 作業が始まったらもっと余裕だった。僕を入れて派遣会社の二人が派遣先M社の番頭に連れて行かれた先は何もないガランとしたアパートの一室で、床にブルーシートの養生が残っている。事務所として使っていたがもう引っ越しも全て終わり、今日が最終の片付けのようだ。とは言っても片付けったって床の養生剥がして掃除機かけて少しだけ拭き掃除して終わり、こんなのわけないだろう。隣と二部屋だそうだが一人だって午前中一杯なんてかからないぜ?そう思いながら作業を始め、掃除機がすぐに詰まってしまいろくに役に立たなかったものの、九時前から始めた作業は十時半までかからなかった。番頭はとうに移動しているので終了の電話をして終わりである。こりゃ早さとラクさでベスト5に入るな、なんて言い合いながら現場を出た。
  隣の駅で下りると古本屋が五軒だかあるはずだ。もっともそこの現場に通っていたのはY社にいたころ、もう五年は経っているから何軒残っているのかわからない。とは言えまさかこんなことになるとは思わず、財布の中に金はない(いや、思っていても金はないい。)。まずは家まで帰り、一息ついたら組合とは別件でビラまきに出かけた。最近は時間があるとビラまきをしてる(他にすることないのかって?ないんだよ。)。
  それが昨日の話。今日は始発で出た。最寄駅がまず遠い上に現場がそこからバス、しかも新規入場者教育が朝礼前にあるので駅に七時集合、始発じゃないと間に合わないのだ。昨日今日でバランスが取れるってつもりなのか?「明日遠いんですけど、現場薄くなってて。勘弁してください。」とは派遣会社の弁。年度が変わる前から仕事が薄いとは、先が思いやられる。
  作業は当然にもまともなクリーニングだった。明後日の検査に向けてのもので、仕事が薄くなったからと派遣会社は六人も増員してねじ込んでいる。数年振りで同じ現場で仕事をすることになった仲間と掛け合い漫才もどきをしながら一日床にフラッシュモップと呼ばれる着脱出来るをモップをかけたりしていたら結構くたびれた。で、夕方。詰所で帰り支度をしている最中に派遣先の職長が戻ってくるなり憮然として言った。「明日××××(僕たちのいる派遣会社名)元に戻って三人だってさ!どうなってんの。」いやー、それを僕たちに聞かれても。会社の都合で人数をそんなに大きく動かしたら現場はたまらないよ。