茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(330)がんばれ教文館

加藤匡通
十二月×日(土)
その街へ行く、駅を使うと立ち寄る本屋や古本屋がいくつかある。南流山を使うと古本屋のブックジャムに寄るし、秋葉原なら書泉ブックタワー、東京駅の八重洲口を使えば八重洲ブックセンターに寄る。新宿なら紀伊國屋模索舎、渋谷はかつては大盛堂やリブロなんて面白かったがリブロはとうになく大盛堂は見る影もない。今なら丸善ジュンク堂だ。これが銀座だと教文館になる。都心部ターミナル駅ばかり並んでいるのは今の僕の行動パターンを如実に現している。面白味ないなあ。
銀座は建て替えや改修が多いところで建築現場には事欠かず年に何度も行くし、映画を見にも行く。帰りに本屋に寄りたくなると教文館に入るが、ここはキリスト教書籍が充実しているので基本的には三階だけ覗いている。キリスト教各派の戦時下抵抗や反天皇制運動の本を探しているのだ。一般書店にはない本がごろごろしていて飽きない。キリスト教書専門の取次があるなんてここに来るまで知らなかったよ。しかしこの二、三年で戦時下抵抗や反天皇制の本が急激に減って来ている。元から売れる本とは思えないけど、これも時代と言うことなのだろうか。反ナチ抵抗本はかなりあるのも、対岸の火事は気になっても此岸の火事は気にならならないのかと重い気分にさせられる。この国で自国の体制に歯向かうのは国内少数派として端から自覚的なキリスト者にしても非常に困難だったのはそれこそ前回の戦時下に証明されている。先日行ったら題名ではっきり天皇制を問題としているとわかる本はほとんどなくなっていた。『戦争と教会』『戦時下のキリスト教』の二冊を買って帰って来る。