茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(363)雨の中鉄筋をこする

加藤匡通
ニ月×日(金)
また千葉の工場へ鉄筋をこすりに来ている。今回スケジュール調整に失敗し、雨の中で作業をする羽目になった。事前に気付いていれば監督と連絡して雨を避けたが、雨予報に気付いたのは水曜、出荷は土曜だと言う。それでは日程は動かしようがない。前回調子に乗って飛ばしたので五人から四人に減らされ、監督からは「金曜に四人でも構わない」と言われたが派遣会社の方が「金曜は忙しくて人の調整がつかない」と答えやがり、形だけ一日二人の二日で四人にしたのだ。だが端から雨の中どの程度作業が出来るのかは監督も僕たちも疑問だったので、二日目の負担が増えるんじゃないかと懸念していた。
昨日木曜、朝礼後監督に「(雨だけど)やるの?」と聞かれ「出来るとこまでやってみます。」と答えた。前日に監督と電話でやり取りしていたのは派遣会社の手配の人間ではなく僕で、手配がつかないなかったとはもう伝えてある。鉄筋の錆は乾いていればスコッチでこするだけで落ちるが濡れていると水をかけながら洗うかウエスで拭き取るかしないと落ちない。雨が降ってるんだから水なんかいらないだろうと思うかもしれないが、よっぽどの土砂降りでない限りこの錆は流れちゃくれないよ。どっちもそれなりに手間なので作業は普段より遅れる。だが何もせず濡れた鉄筋をこすっただけだと、多分乾いてから錆がこびりついていてまたこすることになる。気は進まないが合羽を来て相方と作業を午前中いっぱいしてみた。手には普段使わない台所用ゴム手袋を二重にはめている。やってみてわかったが、雨の中錆をこすると手は錆で赤くなるし、合羽も赤くなる。鉄筋をこするのに腹這いとまでは言わないが四つん這いにはなっているし、掴まったり押さえたりと手をつきまくっている。当然PC板には錆が着きまくるのだ。雨でなんか流れてはくれないので一ピース終える度に錆の跡をウエスで拭かないといけない。拭かずに乾いてしまえば簡単には落ちなくなる。手間がまた増えてしまった。
昼休み明けに監督が見に来た。三十二ピース中二人で八ピースしか出来ていない。おまけにやってる真っ最中のPC板はわざわざ白く塗装して仕上げてあるのに錆が乗っている。「今日はこれで終わりにして明日三人に増やしていいですか?」「これじゃしょうがないね。」
そういう訳で昨日は二時には現場を出た。相方を最寄駅まで送ったら佐原を目指す。もちろん本屋と古本屋を探索しに行ったのだ。今回は幸い本屋も古本屋も発見出来、千葉県歴教協の冊子なんかも入手出来た。
今日はこれまで何度も来ていてこするスピードは僕より早くなっている相方と初めて来た一名の計三人で錆を落とし続け、三時前に終わった。二人だと時間いっぱいやって丁度で収まるかどうかだが三人だとこうなる。昨日こすったところは今日見るとやっぱり錆がついている。やった当人たちが一瞬「これやったっけ?」と考えてしまうレベルだ。スコッチで軽くこすると言うか触れば落ちる程度ではあるものの、二度手間であることに変わりはない。次は雨は避けようよ、と言いたいんだけど、監督は今回で終わりかもしれないと言っている。建物は十四階まであるが今回やったのは十階。十一階から上は製品を作ってからまだ二ヶ月経ってる程度なのでそんなに錆てないからこすらなくていいと考えているようだ。そうか?十二階とか、物によっては結構錆て鉄筋真っ赤なんだけど・・・