茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(380)祭りなんてもう長いこと行ってない

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(380)祭りなんてもう長いこと行ってない
加藤匡通
七月××日(日)
 置きビラで龍ヶ崎の駅前に行ったらお祭りだった。普段人の姿を見ることのない商店街に露店が並び、歩道車道の区別なく人で溢れている。どうすりゃこの賑わいが維持出来るんだか。まだ歩行者天国は始まっていないはずだがまるで進入した自動車が悪いような光景だ。龍ヶ崎でこんなに人がいるのを初めて見た。
 僕のいるみらい平の駅前には広い空き地があって、八月の最初の土曜には商工会なんかが主催の祭りがある。そのうち売れて住宅が建ち並ぶだろう空き地はその日だけ子どもたちでいっぱいになる。あのあたりにあんなに子どもがいるのかとびっくりするくらいだ。
 新興の団地は寺社がないところが多く、町内会が空き地や公園を使って盆踊りの櫓を組み、露店を出し、寺社と変わらない夏祭りをしている。だが地域の寺社の祭りならそれなりに世代交代はするものの、町内会なんかの祭りだと世代交代は起こらないのだと聞いた。戸建てでも集合住宅でも団地は団地。一斉に入居したら子どもたちが離れて行く時期も同じ、やがて団地は高齢化していく。以前住んでいた同じつくばみらい市の狸穴にあった団地はそうして夏祭りをやめたのだと言う。
  もっとも、それは新興住宅地に限らない。祭りの神輿の担ぎ手がいなくてトラックに乗せている地域は珍しくない。この国の人口は減りつつあるのだ。でも、神輿の担ぎ手が居なくなったり祭りが出来なくなるのは人口減少より東京一極集中のせいのような気もするな。この文化を変えない限りこの国の地方に未来はないよ。