茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(23)

                加藤匡通

四月××日(木)  ニューヨークから直輸入

 交通費を少しでも浮かせて日当実費を上げようというせせこましい試みは続いていて、今の現場へは最寄駅からなら五分だけど二十五分かかる駅から歩いている。これで片道百八十円浮くのだ。回数券にしてさらに少しでも安くと努力しているが、ああそれなのにそれなのに、今朝は寝過ごしてはっと目が覚めたら電車は下車予定駅から動き出したところだった。一駅戻ってさらに二十五分歩いたら間に合うけど、くじけて最寄駅まで出た。回数券は指定された駅までしか使えない、その先は指定された駅から切符を買い直す形になり、二百円払う。つくばエクスプレスはとにかく高いのだよ。さらにその先の運賃まで払
いってこれじゃちっとも安くなんないじゃん。
 がっかりしながら現場まで歩いてたら商店街の街頭にいやなスローガンを見つけた。「ビューティフル・ウィンドウ運動 犯罪のない住みよい街に」。ニューヨークの割れ窓理論そのまんまだ。窓が割れているとそこから犯罪が拡大するという妄想を根拠にニューヨークでは治安対策が講じられ、例えば野宿者
の公共の場所、公園からの排除が行われた。このあたりは二十三区内でも所得の低い者が多い地域である。これは地域住民を犯罪者扱いしてるってことなんじゃないの?