茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(29)

                     加藤匡通

五月××日(木)  朝礼がないのはいいこと

 昨日から雨だが現場はある。傘をさしても濡れはするので今朝は二十五分歩かず、現場最寄駅まででることにする。正規料金で、つまり回数券なんかを使わないでの差額は片道百八十円。時間的には最寄り駅まで出た方が早い。朝六時二十五分の電車に乗って最寄駅には七時少し過ぎには着いている。二十五分コースでもだいたい同じ時間に駅に着く。最寄駅から現場まで五分、まだ早いのでマクドナルドでコーヒーを飲む。百二十円。多分マックのコーヒーが一番安い。
 現場には四十五分までには入るようにしている。たいていG社の職人はまだ来てない。ついでに言えばG社の現場に朝礼はない。
 職人が現場に入る時間は現場や会社に寄ってまちまちだ。遠方から車で来る業者は渋滞を避けるから八時開始でも七時前に現場に入っていたりする。大手ゼネコンが元請で朝礼が八時前からなら当然現場に入る時間も早くなる。七時五十分や四十五分朝礼は珍しくない。僕は七時半開始の現場に一年半通っていたが、その時は早出の手当てがついていた。これはないことで、普通朝礼分は払われない。
 某スーパーゼネコンのとある現場は朝礼が六時半、作業開始が七時と聞いた。終了は四時。なんだそりゃ?その現場の一番偉い奴が考えたらしい。仕事が早く終わるのは、建設業界も展望はあまりないので介護職の資格をとる時間をつくるため、だそうだ。朝礼でそうしゃべってたんだと。さんざ搾り取った後
に転職を勧めるとは、しかも一日の初めにそれを言うとはまったくもって見上げた心がけと言うほかはない。