加藤匡通
八月××日（月）
「現在賃労働その他から切り離されて夏休み延長中。」と書いた日記は更新出来ぬまま日数は経ち、予定になかった夏休み延長戦も終了。ふう。
まずは日雇派遣で賃労働に復帰。
自宅から駅に向かう途中にいくつかの建築現場がある。僕の住んでいるあたりは開発されてずいぶん経つ地域だが、すぐそばはつくばエクスプレス開通によって開発された宅地でまだまだ空き地だらけ。開通した当初は雑木林で本当に見事に何もなかった。今でも何もないと言いたくなるがそれでも駅前にはスーパーやラーメン屋、ゲームセンターにドラッグストア、銀行まで出来た。何より新築の住宅が雨後の筍のように建っている。ピークは過ぎたかもしれないが、まだ建つだろう。
久しぶりで早起きして六時三分の電車に乗ろうと歩いていて、通りがかった戸建ての現場をふと見ると人がいる。いやそれどころか働いている。これが都内のゼネコン現場なら、少し早過ぎるような気もするがまあ分かる。昼夜通しってこともある。しかし納期に追われてる感じでもない。現場はまだ基礎段階、むしろ余裕があって丁寧に作業してるようだ。
働いているのは二人。僕よりはだいぶ年上の夫婦のようだ。涼しいうちに一仕事してしまおうということか。多分帰りは早いのだろう。涼しいところにいたのですっかり忘れていたがまだ夏だもんな。久し振りの現場仕事は辛そうだ。
