茨城不安定労働組合

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日雇い派遣日記(70)コン打ちの分業

十二月××日(水)

                加藤匡通

 詰所のある今入っている現場はコンクリートの土間が実に多い。マンションだから駐車場が広いということなんだけど、Y社からすると土間は利益率が高く、土間が広いのはいいことらしい。工期も迫っているし、多少経済的に余裕もある、何より広いので土間コンだけで何日も取られてしまうがその間他の作業が進まないのは避けたい。そういった訳で土間の仕上げは土間屋任せになった。今日で三日目である。初日はポンプ屋と歩行者誘導の警備員まで来てた。ミキサー車は入れ替わりで何台も来るし、まるでゼネコン現場のコン打ちだった。
 ポンプ屋はポンプ車でたいてい二人一組でやって来る。Y社で呼ぶのは始めて。普段は段差を乗り越え一輪車でえんやこらという世界なので縁がないのだが、土間が広くて量があるしネコでやってたらいつになっても終わらない、せっかく呼んだ土間屋が遊んでしまう。でポンプ屋を頼んだ訳だが、いやポンプ車で生コン圧送すると早い早い。普段の苦労はなんだろうと思ってしまうよ。
 土間屋は土間仕上げ専門の業者である。昔は左官屋の仕事だったそうだが今はこれだけが独立している。ということは左官屋は土間仕上げが出来ることになるが土間屋は左官仕事一般が出来ることになるのだろうか?確かに普通の左官も土間もじゃ忙しくてかなわんわなあ。コン打ちが終わってからが本番なので、暗くなってから電気つけて小手で仕上げている姿をよく見かけた。土間は一度均してしばらく置いてある程度固まったらまたしごいて、をニ、三回繰り返すので時間がかかるのだ。土間屋もポンプ屋も夜まで仕事をしている印象がある。でかいビルの床なんかはポンプ屋と組んでコン打ちをするのは土工の仕事で床の高さが決まったら土間屋が均していた。都内の土間屋はかなりの確率で沖縄出身だが、なんでなんだろう?
 土間を外注に出した分、僕たちはポール灯を立てたりといった細かい作業をしていた。最初に現場を見た時はこんな広いところ、一月足らずで終わるのかと思ったが、どうにかなりそうだな。