茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(104) 竹内博の死

加藤匡通
六月××日(木)
  仕事にも地域での生活にも、運動にすらまったく関わりのないことを書く。
  竹内博が死んでしまった。中学卒業と同時に円谷プロに入社した筋金入りの怪獣おたくにして、特撮が大人相手の商売になるとは誰も考えないころから数多くのムックを作りファンの裾野を広げて来た編集者、ライターや評論家というより研究者という方がしっくりきた人。香山滋円谷英二の評伝を書くのは彼だと誰もが思っていたのにどちらも完成せずに死んでしまうとは、本人もさぞや心残りだったことだろう。
  面識はない。しかしこの人が切り開いた仕事の上に、怪獣についてのすべての論考はあると思っているので、いつか会えたら訊きたいことがたくさんあったのだ。中学の時、確か『衝撃波Q』の復刊号で「自分のテーマは日本人からの解脱である」と書いてあってなんのことやらさっぱりわからなかった。僕と同じ方向だったとは思わないが彼のそのテーマが展開された文章を読んでみたかった。