茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(184)階級上昇?

加藤匡通
十一月×日(木)
  昨日打った階段や玄関に今日はタイル屋がタイルを貼りに来ている。タイル屋はこの現場、と言うかこの元請けの現場ではY社の下請けなので日報も一緒だ。朝いつもより少し遅れて八時過ぎに現場についたら先客がいる。もう外溝関係しか職人はこないはず、警備員は別に来ているのでタイル屋の職人かと声をかけた。するとG社から来たと言う。僕のいるY社はG社の職人が独立したところで、僕はそもそもG社に日雇派遣として働きに来ていたのがY社に来るきっかけだった。なのでG社の職人も多少は知っている。今日来てる人は知らない顔だけど、人の動きはあるからなと思ったが、G社がタイル屋に応援を出してるってことか?どうなってるんだろうと首を傾げていたらタイル屋の職長が来た。二人の会話を聞いていたら、G社に呼ばれた日雇派遣だと分かった。タイル屋も人手不足で派遣を使ってみようと考えたがまったく派遣会社と接点がないのでG社に頼んだらしい。
  ショックだった。僕が彼を日雇派遣と気付かなかったことに、である。現役の日雇派遣だった頃は駅の集合場所はもちろん、現場の中で別の業者の下請けとして入っている日雇派遣も区別はついた。何もしていなくとも、佇まいで分かるのだ。これは僕だけでなく、ある程度慣れた日雇派遣は同業の区別がつくようになるらしく、朝の待ち合わせの時などお互いになんで分かるのかねえと話の種にしていたものだ。二年前にも同じようなことがあってこの日記に書いているが、今回は直接会話していて気付かないのだからもっと重症だ。件の彼は服装は職人と変わらないが、以前はもちろんそんなことは関係なく判別出来たのだ。同じ階級の者に気付かないとは!それとも、もう同じ階級にはいないのか?
   朝一に白砂利を敷いた。白砂利は文字通り白い砂利、中には小石を石灰で白くしたものもある。白いと言っても建材屋によって色合いが異なるが、それはいいや。家の裏や脇を水捌けをよくしたい時に使う。土をそのままだと歩けば汚れるし雑草が生えて見栄えも悪い。白砂利にしておけば雑草の手入れをせずに済み、泥汚れを引っ張ることもない。整地をしたら雑草が生えないための防草シートと言う物を敷き、その上に白砂利を敷き詰める。以上終了。ちなみに防草シート敷き詰める場所に桝やエアコンの屋外機があればその形に切り抜かないとならず、少し面倒で職人たちの評判はあまりよくない。敷いたらピンで固定する。ここらの作業はY社の中で数少ない、加藤に任せても大丈夫な作業と言われているが、こんなの誰でも出来るだろ。今回白砂利は一輪車で運べたが、狭くなればバケツでえっちらおっちら運ばねばならず大変である。
   次にフェンスの柱建て、次にブロックの天端仕上げ、次に、とやっていったら出来る作業がなくなってしまいY社の職人は上がりになった。いらない資材を積んで置き場に下ろす作業があるので早くに、と言っても四時頃に出た。タイル屋はまだ作業を続けている。僕はゴミだのの片付けが残っている。白砂利ダンプから下ろす時に道路を汚したので道路を水洗いもしなければならない。今日の白砂利の建材屋は石灰をたっぷり使って色を着けているので道路養生にシートを敷いても道路が白く汚れるのだ。その日のうちに洗っておかないと石灰がこびりついて落とせなくなり後が大変である。片付けが終わったのでそろそろ道路を洗おうかと思ったらタイル屋が車を持って来て荷物を積み込みだした。あれ、予定より早くないっすか?ここで水を流したら嫌がらせになってしまう。結局タイル屋も帰ってから水洗いして終わったら五時になってた。いつも通りだね。