茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(185)「今日ダンプで寝てていいから」

加藤匡通
十一月××日(月)
 現場の前に車を停めっ放しはよくあることだ。ダンプに砂とセメントを積んでモルタル練るのが基本の仕事な訳で、車を停められないと話にならない。
  昼休みはY社の職人がダンプで弁当を食べて休んでいる。けど今日は職人が全員外食、ダンプには誰もいなくなる。何かあれば車を動かせるように一人は付いていた方がいい。一番若い職人が「カトちゃん今日ダンプで寝てていいから」「ダンプで寝てなくてもいいっすか?」もう一回「カトちゃん今日ダンプで寝てていいから」「外行ってていいっすか?」もう一回「カトちゃん今日憧れのダンプで寝てていいから」この季節、外は寒いのでダンプで暖かくしていていい、と言っているんだが、要はダンプの番をしてろと言うことだ。「それ、拒否権ありますか?」駄目押し「カトちゃん今日ダンプで寝てていいから」はいはい。憧れてはいないが車の中は確かに暖かそうだ。そろそろ外で寝てると寒くて目が覚めたりするからな。日なたに止まってると汗かくくらいだけど。
  このところ脚が痛くてかなわない。尻からふくらはぎにかけて、少し力を入れると突っ張るような痛みがある。時には歩くのに差し障りがあるくらいの痛みだ。電車に座れても痛くて眠れなかったりする。座骨神経痛か?脳味噌は幼いままだが、体はきちんと歳を取っていくな。
  Y社の職人は歩いて筋肉を使えば治ると言う。実際本人は仕事の後に置き場の周りを一時間歩いている。現場と最寄駅が遠いと往復で四、五十分歩いていたが、最近は駅から近い現場ばかり。いつ歩けと?…時間は作るものだとは言いますからね、ええ。母は水分を大量に取れば治ると言う。これも本人の経験から来ているが、この季節に外仕事で水がぶがぶ飲むってのはちょっと。それともどっちも本人のやる気の問題か?