茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(370)植木屋と実相寺昭雄

加藤匡通
四月××日(金)
  新聞でユーロスペースで「実相寺昭雄の光と影」と言う特集が明日からあると知った。ほんとにこの手の情報に疎くなった。『宵闇せまれば』と『無常』はいまだに劇場で見てないんだけど、今回も無理だなあ。テレビ作品も上映するようだけどこれも無理だなあ。『アリエッタ』はどうにか時間が合いそうだ、せめてこのくらいは見たい。実相寺のベストはATGでも円谷プロでもなくこれだと思う。
  もちろん問題は時間もさることながら金なのだ。その辺のことは書いたばかりだから繰り返さないが、派遣会社から人激減するんじゃないかね?
  去年の夏に知人の植木屋の手伝いをしたことがあった。斜面の庭で本職の植木屋が枝打ちをして、僕が下で枝を片付ける。つらいだろうと思っていたが、そんなじゃなかった。考えてみれば大変なのは木の上で枝を落としている植木屋であって僕は下でぼうっとしているだけだからつらくなんかないのは当たり前だ。この仕事、日当が派遣会社の日当の倍だった。この仕事が月に十日あればあと十日派遣会社で働くだけで充分やっていける。残り十日は運動と読書・映画だと大喜びだったが、その後この仕事は廻って来ていない。使いづらかったんだろうなあ、俺。
  と言うことで派遣会社で身を削りながら社会保険を払っていくしかないのだった。金の工面に疲れはててスクリーンに対峙するのも『アリエッタ』には相応しかもしれないけどな。
  ちなみに前に書いた『虐殺器官』はつくばで見た。原作をなぞっただけの映画だった。『キングコング 髑髏島の巨神』も見た。素晴らしかった。でもこのキングコングアメリカではRKOの三十三年版直系とは思われてないんじゃないの?原題も『KONG』だし日本語表記も『キング・コング』じゃなくて『キングコング』だもんな。これは『キングコング対ゴジラ』の系譜ってことだろ?