茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(371)友人の結婚式

加藤匡通
四月××日(土)
 友人の結婚式があった。今年で四十九才、これで同い年の友人の結婚式はもう終わりだろう。いや、部下を持つこともないから年齢から考えたら結婚式に行くこと自体最後かもしれない。
  当然御祝儀を持って行くが問題はいくらなのかである。やはり出席する友人に「いくら包んだらいいんだ?」と聞いてみた。三万と返ってきて、やっぱりと思いつつ頭を抱えた。日払い一日七千円、五日働いて三万五千円しか入って来ないのにどうやって三万包むんだ?金に窮すると冠婚葬祭から足が遠退くと言うが、ありゃ本当だな。次の機会があってもこれじゃ行くのをためらう。
 前に国保を滞納して差し押さえ手前になり、市役所に毎週八千円ずつ払う破目になったと書いたが、その話をしたらある友人から「税金くらい払えよー。」と言われたことがある。うん、君は労働者階級だからそう言えるよね。彼は日当が僕の倍額の真っ当な職人である。なのに公務員を叩くんだから笑ってしまう。僕にはどちらも上層の階級にしか見えない。肉体労働をしている者の間でも、労働者とアンダークラスの間には溝があるのだ。
 革靴もとうになくなり、新品の安全靴で行こうかと少し悩んだものの安物の革靴を買い、白ネクタイもとうになくなっていたがこちらは買わずに行った。すると別にみんながみんな白のネクタイをしているのでは全くなく、半分は普通にネクタイをしていたし、礼服ではない者も多かった。友人同士だとそうなるかな。御祝儀は二万包んだ。久しぶりの友人たちとの会話は楽しかった。三次会にも行きたかったが会費の二千円を払えば月曜日に現場に行く金がなくなるし、金を作らなきゃならないから明日も仕事、そろそろ帰らないと。残念だな。