茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

ナショナリズムを考える8月

組合員加藤からの投稿です。


ナショナリズムを考える8月
8月12日(日)13時半〜16時半
常総生涯学習センター 会議室1(関東鉄道常総線水海道駅下車)
お話 「ネット右翼とは誰のことか」首藤九尾子(ヘイトスピーチに反対する会)
映像 『靖国中毒』
その後、会場を交えての討論
参加費 五百円
主催 戦時下の現在を考える講座(仮)
連絡先 090ー8441ー1457(加藤)

終了後、屋外で関連企画の可能性あり!


 3・11以降あふれ出た「がんばろう日本」はいまだ鳴り響いている。災害を機に高揚したナショナリズムは思わぬ形でその姿を現す。たとえば、右も左もない国民運動としての脱原発

 八月、この国のナショナリズムは六日広島、九日長崎と高揚し十五日を迎える。しかし「唯一の被爆国」という言葉が実戦での原爆投下のみを被爆ととらえ他の数多くの被爆を排除してきた言葉であること、さらには唯一の被爆国だからこそ原子力の平和利用を、という倒錯した論理によって原子力発電を受け入れていったことは3・11以降広く知られるようになった。そして十五日靖国侵略戦争へと兵士を駆り立てた動員装置は国家公認のカルト教団のまま、いまだに健在である。目の前の武道館で政府主催、天皇出席で行われる全国戦没者追悼式典と相まって高揚は頂点を迎える。そこにあるのは敗戦に至る過程を省みてその責任が誰にどのようにあったのかを考え同じような過ちを繰り返さないための真摯な思考ではなく、敗戦を終戦と言い換えて国が作り出す、犠牲を称揚し国家とその住民を同一視することによって戦争責任を不問にする物語を国が歌う通りになぞって歌う人々の姿である。この歌を歌い続ける限り、私たちは何度でも戦争へと動員されていくだろう。
 私たちはかつてのナショナリズムの高揚の行き着いた果てを知っているはずだ。なのに今また新たな形でナショナリズムは高揚している。オリンピックはかつては建て前に過ぎないとしても参加することに意義があると言われていたものからメダルをいくつ獲得できるかを煽り立てて競い合うものへと変わった。中国や朝鮮への論理をかなぐり捨てた罵詈雑言はネットの世界から現実の街頭へとあふれ出ている。ナショナリズムとは動員の思想だ。私たちは何に向かって動員されるのだろう。動員を拒否する方法を考えることは、戦争についてだけではなく、いつの間にか生活に欠かせないものとされてしまっていた原子力発電から逃れようとしている今の私たちにとって切実なことではないだろうか。
 そんなことを考えるために、街頭での右翼の変容、ネット右翼の街頭への台頭を見てきた「ヘイトスピーチに反対する会」の首藤九尾子さんの話を聞き、靖国神社についてのすこしゆるめの映像『靖国中毒』 を見る。それから会場のみなさんと議論をしてみたい。