茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

釜ヶ崎暴動と私たちの労働問題

六月の釜ヶ崎(西成)で暴動が起きた。何があったのか、警察署に怒りが向けられたのは何故か?
釜ヶ崎で野宿者支援に関わり、暴動に立ち会った生田武志さんにお話を聞く。
その後、私たちの問題と接続すべく、氷河期世代ユニオンの山田光一郎さんを交えて会場との話へ。

日時  10月26日(日) 14時〜17時
    14時から生田さんのお話
    15時20分から生田さんと山田さんのお話
    その後、会場全体での議論

会場  つくば市手代木公民館 中会議室(つくば市松代4-16-3)<地図:最下段>

お話  生田武志(野宿者ネットワーク、フリーターズフリー 、著書『「野宿者襲撃」論』『ルポ 最底辺』)
     山田光一郎(氷河期世代ユニオン)
資料代 五百円


主催:フリーターの怒りをどこに向ければいいのか 釜ヶ崎(西成)暴動と私たちの労働問題を問う会
問い合わせ:090−1794−2437(加藤)


【運営上の確認】政治的立場の違いを暴力によって「解決」することを実践し、その行為と思想を正当化し続ける人々の参加をおことわりします。

 G8・サミット蔵相会議が大阪で行われた日、大阪西成・釜ヶ崎で暴動が始まった。
 釜ヶ崎は二万とも四万とも言われる人々が暮らすこの国最大の日雇い労働者の街だ。グッドウィルパソナフルキャストが存在するはるか以前から、必要な時に必要なだけの労働力を供給する基地として戦後ずっと存在し続けてきた。私たちの住む街に監視カメラが設置されるより二十年以上前から、治安管理の対象として監視カメラが設置され、いつしか「釜ヶ崎」という町名も地図から消されたが、今もそこで暮らす人々は自分たちが暮らす地域を釜ヶ崎と呼ぶ。

 その釜ヶ崎で十数年ぶりに、警察署に怒りの矛先を向けて戦われた暴動はしかし、新聞・テレビ等ではほとんど報道されなかった。90年、92年の暴動が繰り返しテレビで面白半分に放送されていたことを思い出すと不思議でならない。サミット警備にともなう報道管制なのか。だから私たちは釜ヶ崎で何が起きていたのか、よく分からないままだ。暴動は何故起きたのか?何故報道もされないのか?何を隠したがっているのか?

 少ない賃金や先行きの見えない将来への不安といったものに私たちは日々脅かされ、この身をすり減らしながらどうにか生きている。成功者を「勝ち組」と持ち上げ、そうでない者を「負け組」と呼ぶ社会。鳴り物入りの「構造改革」は一部の金持ちばかりに富が集中し、多くの者は貧しさの中で「痛み」にのたうちまわる社会を作りあげた。それはなにもバイトやパート、派遣・契約社員といった非正規雇用者に限ったことではなく、ノルマに追われサービス残業が当たり前になった正社員にも共通した痛みだろう。外国人労働者生活保護受給者や失業者、障がい者といった人々はさらに「痛み」を強いられているだろうか。それでも政府はついこの間まで戦後最長の好況だと言い続けてきた。儲かって仕方なく笑いが止まらなかったのは、労働者への富の分配をストップして自分たちだけで分け合っていた大企業の経営者だけではないのか?

 秋葉原で無残としか言えない事件が起き、容疑者が派遣社員だったと報道されるや、事件の背景には若年層の雇用・労働問題があると指摘され始めた。原因をそこにのみ求めるのは間違いだと思うが、ある面での真実もあるのだろうとも思う。けれどもそれならなおのこと大きな違和感を覚えてしまう。彼らの怒りや不安は何故何の関わりもない人々に向けられてしまったのか?それは、その怒りや不安を向けるべき「正しい」矛先があるのかを考えることだし、彼らだけでなく私たちの問題でもあるだろう。
 だから私たちは問う。
 フリーターの怒りをどこに向ければいいのか? 釜ヶ崎暴動から、それを考えてみたい。