茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

「交流学習会 非正規保育士が語る、仕事・やりがい・責任」に参加して

 11月22日、氷河期世代ユニオン主催の「交流学習会 非正規保育士が語る、仕事・やりがい・責任」に参加しました。
 会場の神奈川労働プラザは横浜のJR石川町駅近くで茨城から距離はありますが、僕の家から電車で2時間。家から県北に電車で出るより近い。石川町は港の見える丘公園やハイソな感のある女子校といった洒落た地域や中華街があるかと思えば、日雇い労働者の街寿町がその隣にある不思議な駅です。僕も仕事で"寿"のドヤに泊まったことがあります。3畳1間1泊3,000円は僕には落ち着く場所でした。
 主催者の山田さんは、茨城不安定労働組合結成の契機となった企画「賃金奴隷(フリーター)の怒りをどこに向ければいいのか 〜釜ヶ崎(西成)暴動と私たちの労働問題〜」でお話してもらった方で、それ以来交流が続いています。この日は同時間帯に都内でも「『悍』第3号刊行記念討論会 フリーターの敵はだれか フリーター運動におけるアジア的抗争の可能性」という面白そうな企画があったのですが、日ごろの恩義に応えるため(笑)、横浜に行きました。
 お話をしたのは非正規雇用の男性保育士で31歳のKさん。市場として考え効率化を図ることがおよそそぐわない保育の現場で進む民営化、異業種参入の中で労働条件の切り下げは保育士と子供を直撃していること、労働組合のある保育施設でも対象は正規雇用の職員のみで、非正規職員には労組からの呼びかけは一切ないこと、待機児童は都市部の問題で施設を増やしても対症療法でしかなく、その後に大量の失業者を作りかねないこと、保育士の社会階層について(雑誌の記事で保育士の年収800万は高すぎるとあって、それ自体事実誤認だけれども、「保育士が800万もらっちゃダメなのか?」と問いかけられて目から鱗が落ちました。保育士の年収は低くて当たり前と思っていたのが僕自身だと気づかされたから)など、質疑を交えつつ話してくれました。
 参加は10名に満ちませんでしたが、その分ゆったりとしたいい集まりでした。終了後は中華街を横目に参加者の懐具合に相応して養老之瀧でさらに交流を深めました。
 僕たちが生きている社会にはさまざまな仕事があります。それぞれの仕事から、今の社会のありようや問題が見えてくることがあると思います。お互いの仕事について聞きながら僕たちの生きている社会について考えられるいい企画だと思いました。今後もこのような企画が横浜だけでなく各地で行われるといいと思うし、また僕たちの組合としても機会があればぜひ取り組んでみたいと思っています。