茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(391)『グロリア』

加藤匡通
十一月××日(日)
 都内で土日に会議と集会・デモがあったのでいつもカプセルホテルに泊まった。カプセルホテルの代金はさらに上がって三千二百円になっていた。金額にびっくりして改めて外観を見渡したら、全面改修したようだ。受付で予約してますかと聞かれたのも初めてなら、いいえと僕が答えたあとに満室の札をだすのを見たのも初めてだった。次からは予約しとかないと駄目なのか。土曜とは言え夜の十一時で満室だなんて、世の中は不景気だとしか思えない。満室なんて見たことのない、一番安いカプセルホテルなんだぜ?
 土曜は前から会議と聞いていたので開けていたが、その夜に派遣会社が安全大会を入れやがった。安全大会に出ないと概ね二十ニ日以上出勤で乗っかる一万五千円の手当がもらえなくなるので、首が全く廻らなくなっている僕としては出ない訳にはいかない。おかげで会議が面白くなってきたところで僕は退席、戻ってきたら会議は終了。一体どうしてくれよう。
 翌日は集会まで時間があったので当然映画を見るつもりでいた。『エンドレス・ポエトリー』を見るつもりでいたが、カプセルホテルから歩いて五分かからない映画館で『グロリア』を上映していると気付いた。つくばでの「午前10時の映画祭」上映には間に合わず、名作と誉れの高いこの映画をもう劇場で見る機会はないのかと諦めかけていたのだが、こんな近くで!期待してみる映画の半分は外れだが今回は大当たりだった。ジーナ・ローランズがめちゃくちゃ格好いい。当面の辛いことはこの映画を思い出して何とかしよう。