茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記改め日給月給日記(試用期間)(293)仕事がなくなったのでミラノ座に通う

加藤匡通
十ニ月××日(火)
昨日今日と新宿まで出た。シネマミラノの閉館イベント「新宿ミラノ座より愛を込めて 〜LAST SHOW〜」に行き、昨日は『男たちの挽歌』と『スワロウテイル』を、今日は『新世紀エヴァンゲリオン AIR/まごころを、君に』を見て来た。『男たちの挽歌』はデジタル上映だがあとのニ本はフィルム上映なのも嬉しい。このイベントは一本五百円なので二本でも千円、もちろん自宅から片道の交通費の方が高い。わっはっは。いや、土曜で今年の仕事は終わりでよかった。月曜も仕事だったら七時からの『スワロウテイル』、間に合わないとこだったよ。この三本で一番見たかったのこれだからなあ。フィルムで見たのは封切り以来、おととし大森で見た時はデジタル上映で暗い場面が潰れていてがっかり。フィルム交換で休憩が入ると言う公開当時はなかった事態にやや当惑しながらも映画を堪能する。
周りの映画館が閉館してからのシネマミラノはどんどん場末の劇場と化していっていた。前を通った時は当然、中に入ってかつては新宿東急だった地下の劇場で『飛び出す 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』を見たりしては切なくなって帰って来た。映画の内容にも問題はあるかも知れないけどな。これからはそれすらなくなる。
どの作品も拍手で迎えられていたのは丸の内ルーブルの時との違いだ。毎回上映前に支配人が挨拶をしたのもルーブル閉館イベントにはなかった。『エヴァ』の時はややためらいながら「瞬間、心重ねて」とか「すべての魂を、今一つに」なんて台詞をまぜて話していた。『夏エヴァ』は『最初の春エヴァ』上映時のミラノ座客席を映画中に映し出すという離れ技をやってのけたことでも名高いが、そのことに触れて「皆様がこの映画をミラノ座で見る最後のお客様になります。」と言われた時には涙が出た。東京ファンタで散々聞いた上映開始を告げるメロディー、かつて渋谷パンテオンで流れていたメロディーが流れて予告編なしに映画が始まる。立ち見の出た『夏エヴァ』が僕のミラノ座最後の映画になった。