茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

県内の雇用情勢

8月4日付茨城新聞朝刊の県内雇用情勢についての記事で不安定労組が一部取材されています。

'09同日選 選択 課題を追って<3> 雇用
http://www.ibaraki-np.co.jp/series/sentaku/page01.htm
2009/08/04(火) 茨城新聞朝刊 総合1面 A版 1頁

見えぬ対策の効果
 「契約を更新しない」。土浦市に住む男性(52)は今年3月末、派遣社員として働いていた工場から突然、解雇を言い渡された。契約満了を1カ月残していたが、「不況で仕事がなくなった」という説明に従わざるを得なかった。
 工場には計3年半ほど働いた。派遣業法では同じ職場で3年以上就業後は正社員採用となるが、男性は請負で1年、残り2年半は派遣就業し、最後は離職を余儀なくされた。同じ職場でも派遣や請負の非正規労働者が5人ほど解雇された。「使い捨てだ」。男性は語気を強める。
 男性は失職後、失業保険を受給しながらハローワーク職業安定所)に通ったが、長年ついた製造業の仕事は見つからない。
 国の雇用対策は展開されていても、男性は「仕事はないし、解雇された現場の非正規労働者にとって本当に有効なのか」と疑問を口にする。

 昨年暮れ、同じように製造業派遣の契約を打ち切られる「派遣切り」に遭い、失業保険を受けながらハローワーク通いを続ける男性(44)は「(製造業の)仕事がないなら別の業種に行けと言われても簡単にはできない」と訴える。
 個人の非正規労働者を支援する不安定労働組合つくばみらい市)は「派遣切りは生活も奪ってしまう。やむを得ず生活保護を申請する人も増えている」と現状を指摘する。

 茨城労働局によると、県内で昨秋の景気悪化後に職を失った非正規労働者は約5300人に達した。
 国の緊急雇用対策で、県内では中小企業の緊急融資や雇用調整助成金の申請が急増。県も国からの予算を受け、50億円規模の雇用対策を実施してきた。
 しかし肝心の雇用全体は浮上する様相を見せない。6月の県内の有効求人倍率は過去最悪を更新し、0・40倍(全国0・43倍)と低迷。10人に4人しか仕事がないのが現状だ。
 茨城労働局では「新規求人は前月比で持ち直し、下げ止まりの傾向にはある」(職業安定課)としながら、非正規労働者の動向については「雇い止めは縮小傾向にあるが、まだなくなってはいない。製造業の求人が少ないため労働者が滞留し、他業種への就職も多くはない」と嘆く。
 労組関係者は「派遣などの在り方を根本から変えないと、景気が回復しても非正規労働者の生活は良くならない」と警鐘を鳴らす。足元の深刻な雇用不安にどう対処するのかが、政治に鋭く突き付けられている。