加藤匡通
二月××日(土) あられの製造
以前施工した現場のやり直し。玄関前に小石を敷き詰めたような仕上がりを施した。コンクリの土間の上に樹脂に混ぜた小石を、モルタルと同じように小手を使って左官仕上げにしたのだが、仕上げ直後に人が入ってしまい補修したらそこだけ色が変わってしまいやり直しとなった。
厚みでいえば二、三センチの樹脂で固めた小石の層をピックではつる、というか剥ぎ取る。はつるとうすく平べったい小石の固まりが面白いように剥れていく。まるでおかきやあられのようで楽しい。
剥がしたら掃除してかけらやほこりを取り除き、新しい材料でやり直し。大きなプラスチックの樽に糊状の樹脂と小石を入れて手持ちの攪拌機でかき混ぜる。すると、これまた小石なだけにまるで納豆のような粘り気のある不思議なものが出来上がる。僕がするのはここまで、あとは職人が小手で仕上げる。
作業は午前中で終ったので、これは早上がりか、と期待したらそのまま車で次の現場に向ってしまいがっかり。