茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(323)雨の中コン打ち

加藤匡通
九月××日(土)
  コンクリ打設の相番、バイブのスイッチ係に来ている。マンションの新築工事で電気屋が派遣先である。昨日の手配の段階で雨でも決行と聞いていた。予報通りに朝から雨で合羽を着てのコン打ちになった。外構屋のコン打ちならブロックの基礎はともかく駐車場はそのまま仕上げなので雨の中は打たない。仕上げても雨に打たれたらやり直しになるからだ。今日はマンションのスラブ、つまり躯体の壁や床のコン打ちなので仕上がりがそのまま人目につくところではなく、その上に床を置いたりボードを貼ったりするので雨でも関係ないのだ。
  以前も書いたがバイブのスイッチ係はラクな役割である。しかも今回はバイブの筒先を持つ土工がバイブの線が絡まないよう気を配ってくれる人だったのでバイブがこんがらがって打設中断というよくある展開もなかった。筒先役はコンクリを吐き出すポンプの筒先を追いかけるのに熱中すると後ろの線にお構い無しになってしまい、気がついたらバイブの線が絡まっていて動けなくなってしまうのはよくあることだ。これに気を配っている土工は見たことがない。なので頻繁にスイッチの方を見てはポンプの筒先への最短距離ではなく回り込んだりしながら動き回る姿にちょっとびっくりした。ちなみに僕が土工だった時は型枠の下の方で型枠の叩き役だったのでバイブ自体を握ったことはほとんどない。
  風も少しある雨の中、合羽を着ていてもすっかり冷えてしまった。コン打ちが終わったら電気屋の資材の移動を少しだけ手伝って三時半に現場を出る。コンクリ打設相番のスイッチ係は打設が終われば土工の片付けも手伝わずにすぐ上がりなのが相場なので電気屋は実に申し訳なさそうに電線束の移動を頼んできて、早く帰りたい僕はこの日一番の力(電線束は滅茶苦茶重い。)とスピードで作業を片付けたのだった。十時の休憩なし、昼は三十分だけだから三時半だって別に早くなんかない。
 帰りに映画を見るつもりだったけど、身体冷やしてまた調子が崩れて来たみたいだ。早く帰って早く寝よう。