茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

日雇い派遣日記(32)

      加藤匡通

五月××日(月) ある研修

G社の元請会社による品質管理のための研修があった。午後半日使っての講話である。ゼネコンの工事現場での安全大会なら何度も経験しているが、こういった ものは初めてだ。かなり大きな建物の一角で行われたが、なんとなく柄の悪いおっさんたちがひとつの部屋に集まって来る気がするな。スキンヘッドの僕も当たり前だがその一人。で、百二十人を一部屋に集めての講話はこれまた当然にも眠たいものだった。
しかしDVD上映で目が覚める。
素朴な道徳訓を話されて休憩のあと、感謝の心についての話の前に、と前振されて何を見せられるかと思っていたら画面にわ「天皇陛下御在位二十年記念映画」という文字。あまりのことに絶句していたら『××の御巡幸』というタイトルが。(××には元号が入る。僕は書かない。)ああ、靖国でやってるやつですか。
ここで天皇制への批判を展開するつもりはない。ただ、業界最大手というものはこういうものなのだと思った。天皇と現場仕事と感謝の心の三つが上手くまとまる三題噺があるのなら教えて欲しい。僕には賃金奴隷がただの奴隷になる光景しか浮かばないんだが。つーかお前邪魔だ、どいてろ!こんなとこにまで出て来るんじゃねぇ!