一月××日(金)
加藤匡通
しばらく小さい現場を掛け持ちするらしく、また新しい現場に来ている。駅から現場までに安くコーヒーを飲めそうな店はない。日当たりあんまりよくなさそうだし昼休み寒そうだな。
財布の都合で弁当持参にしてから現場周辺を歩かなくなった。以前は昼休みに作業服で入れそうな安い飲食店を探して歩いたが、今は初日の朝現場に着くまでにコーヒーの連鎖店かファーストフード店を探して終わり。そんなんだからしばらく入っていた現場の目の前に銭湯があったのに現場が終わる直前まで気がつかなかったりもする。いや、駅とは正反対だったしちっとも銭湯に見えなくてさあ。
十年以上前だとそういう時に探していたのは酒屋、古本屋、本屋、銭湯だった。もう酒屋は探さなくなってだいぶ経つ。酒をやめた他の行動パターンに変わりはない(酒をやめると様々なことが劇的に変わるがここでかくことでもないような気はする)。
初日は直近の最寄駅から現場に向かい、翌日あたりから近隣の駅からでも来れるものか確認している。今回の現場も近隣の駅から歩くことになりそうだ。最寄駅には遠回りして乗換えしなくちゃならない。金も時間も余計にかかる。この駅、比較的新しいんだけど直近に店はなく高架で、表通りに出るにはその下の昼でも暗い道を通らねばならない。夜はいやだろうな。