茨城不安定労働組合

誰でも入れるひとりでも入れる労働組合である茨城不安定労働組合のブログです。

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(看板に偽りあり)(171)ピンコロ並べ

加藤匡通
八月×日(金)
一カ月入った現場の後は小さな現場が続いている。今日の現場は敷地いっぱいに建てられたアパート。まだ外溝が出来る感じではなく雑然としている。どうにか道路脇だけ片付いているけど、それはもちろん僕が休んだ昨日Y社が片付けた。今日はそこに一列一段ピンコロ積んで終わりらしい。ピンコロは切り出した自然石で今日使うのは十センチ角の立方体。大きさは何種類かあって、厚みが半分の物、二個分の直方体、棒状の物と色々ある。ただし真四角ではなく、形も大きさもバラバラ、同じ物は一つもない。これを組み合わせてきれいに仕上げるのが職人の腕の見せどころである。この前の現場ではこれを駐車場脇の歩道に使っていた。花壇なんかに使うより人が歩くとこれの方が当然気を使う。石を割っただけなので断面も思い切り凸凹だからだ。今日は花壇なのでそれほど気は使わなくていい。ちなみに前回歩道で使った時は職人に手が開いたので手元に付きますかと聞いたら「お前がやるといらいらして進まないからいらない」と言われてしまいましたとさ。
現場はあと一キロも行けば神奈川に入るようなところである。さすがに神奈川に行くことはないだろうが、現場が万一神奈川になったらどうするかなあ。勘弁して欲しいなあ。
片付けまで含めて三時には終わり、さてどうしようか。明日働けば夏休みだ。『ワッパ騒動と自由民権』と言う本を読んでいるが、休み中に終わるかな。僕の父は山形の庄内の出身で、これはそこであった自由民権運動の先駆とも言える運動についての本である。六十年安保の頃までは地元でも語られなかった運動なので父に聞いても何も知らなかったかも知れない。それでも生きていれば聞いてみたかったと思う。
ついでに書くと僕が自由民権運動に関心を持ったのは茨城に来てからである。茨城では加波山事件と言うこの国最初の爆弾事件があり、地元の出版社から本も出ている。その内の一冊を読んでからだ。もっとも、加波山事件そのものは行き当たりばったりの行動としか思えないので僕は評価していない。