茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(368)『キングコング』を見に行けない

加藤匡通
三月××日(水)
  以前から何度もぶつ切りで入っている現場に入っている。以前はゼネコン一次で入っていた派遣会社の作業員だったが今回は電気屋の手元で入っている。
  しばらくまえにもこの現場で同じ電気屋のコン打ち相番バイブスイッチ係として入ったが、朝は三十分早出と言いながら当日の七時二十分に電話で早出がなくなったので八時朝礼でいいと伝えられ、当然もう詰所にいたので憤然としたのを皮切りにコン打ちが終わると五時まで時間いっぱい使い、あげく休憩が取れなかった分の残業をつけるよう頼むと担当の番頭はしばらく電話で職長と相談してから「じゃあ今回は特別に」と言いながら三十分の残業をつけたのに頭に来て会社に「あの電気屋にはもう入らない。」と伝えた。こんなふざけた態度の業者も珍しい。何度かコン打ちは突っぱねた。当たり前だ。が、年度末でもう仕事は薄くなり、コン打ちではないと言うので仕方なく入ったのだ。千葉での鉄筋こすりは実はこの現場のコンクリートパネルだったので、現場で派遣会社の同僚に会うと「あのパネルは」と話して大受していたが、まあそれはいいや。大きな現場なので電気屋は五十人を越す。電気屋の手元と言っても職人の手元ではなく電気屋の現場の番頭の指示で動く雑用係と言っていい。最初はその週に電気屋の当番となったトイレ掃除が嫌なので派遣会社を呼んだのだと本気で思っていたが、さすがにそうではなかった。でもそう言いたくなるくらいに雑用である。今回入ってふざけているのは担当の番頭が駄目な人だからだと判明した。朝から職人たちに叩かれまくっている。僕への指示も当然・・・いや、これもまあいいや。
  問題はそんなことではない。先週土曜に始まった『キングコング 髑髏島の巨神』をまだ見れていないのだ。先週末は友人の引っ越し手伝い他で動けず、平日夜もなかなか動けない。とは言っても動けない理由の半分は金である。四月から建築現場も社会保険の加入が義務付けられて派遣会社も社会保険に加入、給料はほとんど変わらないので手取りが激減する。それに輪をかてけ派遣会社がこれまで一日分の日当は全額その日払いに応じていたのに一日七千円と制限、差額から社会保険を引いて月末に残額を支払うと言う。週に五日働いて三万五千円、ここから五日分の交通費一万一千円を引き税金滞納分割払いの八千円を引き家賃の積み立て一万円を引くと六千円残る。ここから公共料金を・・・払えるほど残ってないような気が強くする。保険をかけるために首が締っていくの馬鹿馬鹿しい状況に陥っているよ。これは本当に本も映画も無理な状態がやって来たと言うことでは?この国の言う「健康で文化的な生活」には『キングコング』は入っていないのか?そんなふざけた話、僕は認めないぞ。出でよキングコング!そして全部ぶっ壊せ(『キングコング』ってそんな映画か?今回は都市には来ないからぶっ壊しはないんじゃないの?)!