茨城不安定労働組合

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日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(525)日当一万千二百五円

日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(一人親方)(525)日当一万千二百五円

加藤匡通

三月××日(土)

 日雇派遣に登録して月内はそこで働くことにした。登録した翌日から働きだした。

 事務所移転を希望したが、まず回ってきたのは個人宅の引っ越しだった。朝、派遣会社の事務所に集合して、相方一名とともに電車で移動し、個人宅に向かう。引っ越し屋のトラックは二台来ていた。まじか。

 だが杞憂だった。箱型トラックの荷台に半分も積んでない。引っ越し屋が想定したより荷物が少なかったのだ。それでも派遣会社で引っ越しをしたのは九十七、八年なので二十五年振り、階段を上り下りして段ボールを運ぶのはきつい。ましてやこの三週間まともに働いていないのだ。荷物を運んでいたのは午前中一時間半、午後二時間だったからよかったものの、延々積み込みをされたら身体がもたない。

 車で移動していた一時間半が休憩と言えるのかとても疑問だが、昼も食べずに二時前に終わった。

 ちなみに午後の荷物の運び入れの方が時間がかかっているのは、入れた荷物をやっぱり要らないとトラックに戻したから。引っ越し屋に頼むと処分料は高くなるが、それでも構わないという人もいる。積み込んだ荷物の四分の一は廃棄処分にしたと思う。この国は豊かだよ。

 初日で手続きを分かっておらず、この日は給料をもらい損ねた。僕は繁忙期の募集人員なので朝夕事務所に寄って作業服を借りて返さなければならない。返すついでに給料を、と思っていたのでがっかりして帰った。

 二日目の今日はいよいよ事務所移転である。朝事務所に寄って、今度は四名で都内に向かう。都心のビルの中の事務所の改装なのだろうか、机椅子、パーテーションの搬出だった。他の会社と合流して流れ作業でどんどん運び出す。僕は地下駐車場でトラックへの積み込み、来るトラックは全て平ボディーで昇降装置なしだから手積みである。パーテーションなんかは軽くていいが、書類の入った段ボール箱とか机の上板とかかなり重い。またか。腕は今朝から痛い。これは明日とか体中痛いのでは。

 事務所に寄って作業服を返し、給料を受け取った。昨日も今日も一万一千二百五円だった。繁忙期で時給が二百円アップ、更に交通費が一時間七十円程度乗って、そこから所得税を引かれてこの金額だ。そう、交通費は一日五百円程度しか付かない。ええと今日の交通費は全部で二千六百円だから、うお、八千六百五円!うわあ駄目だあ。

 更に「加藤さん月曜は仕事が薄いのでお休みです。」と言われた。あっはっは。笑うしかない。